2016-01-01から1年間の記事一覧

生き延びるための脳の執念

「肉体が食べろと命令してくるのだ」 大西洋を救命いかだで76日間も漂流したスティーヴン・キャラハン氏(映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』では、救命いかだでの生活についての顧問を担当したらしい)のことを知ったのは、小学五年の国語の授…

レミング一発、やり逃げ

青山真治監督の『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』に関して、「中原昌也の役は山塚アイのほうが向いているのではないか?」といった話があったような気がする(最初はそう思ったが、観ていくうちにこれで良かったと思った、という話だったかもしれない)。 し…

将来が不安になる夢

歯がぼろぼろと抜けてしまう夢をたまに見る。年に数回、歯医者の定期検診に向かい、一説によると「親以上に誉められることが少ない存在」と言われる歯医者さんから「よく磨けていますよ」とお褒めの言葉を頂いているにもかかわらず、どうしてこんな冷や汗の…

「食べてしまいたいほど格好良い」

「食べてしまいたいほど可愛い」という言葉は、たまに聞く。たまに聞くたびに「せっかくの可愛らしいものをお前なんぞに喰われてたまるか」と思い、この言葉を発した者に対して憎悪が生じる。せっかくの可愛らしいものが世界から消えてしまうだけでなく、お…

毎日、昨日に帰りたい

寝不足である。 ゆえに眠いのである。 寝不足なのに、眠くなかったら、それはそれで身体が心配である。 しかし、ちゃんと眠いのである。 だから、眠るのである。 おやすみ。

寝る前は暑かったんですよ

夏の短い北海道では、そろそろ秋の気配が顔をみせはじめ、油断して薄着で寝ていると、目覚めたときには喉がいがいが、鼻水じゅるじゅる、あれあれなんだか寒気もするよ、なんて事態に見舞われたりします。いまの私のように。 はい。風邪をひきました。身体を…

「『シン・ゴジラ』を殺すな」という叫び

『シン・ゴジラ』への批判的な意見に対し、少なくない『シン・ゴジラ』支持者から、かなり強い、時には過剰に攻撃的ともとれる反論がぶつけられるのは、単に「自分の支持する作品を貶す者が許せない」という心理だけではない気がしている。かといって、別に…

ここはお前らの来るところじゃねえ

9年ぶりに北海道に台風が上陸。近隣の市町村でも、床上浸水などの被害の様子がニュースで報じられ、自分は水の染み込みやすい平地在住でよかったなと安心するわけですが、それでも何度も小刻みに停電に見舞われたり、大きな木の枝がふっとんできたり、作物…

黄昏の1995年にも楽しみは必要だった(悲しいほど青かった空)

1995年は、もう21年も前のことになってしまった。阪神大震災があり、ニュースがオウム真理教関連の話題で埋め尽くされ、フランスが核実験を行い、今になって思い返してみると、オクラホマシティ連邦政府ビル爆破や韓国の三豊デパート崩壊といった大事件です…

この身体は世界に向いていない

青空が似合わないのに、天気が悪いと体調も悪くなるようになってしまい、結局、世界がどんな姿であっても輝くことのできない生き物になってしまったらしい。 というわけで、具合が悪いです。心気症の気もあるので、どんどん精神的にもきつくなっていき、また…

「お母さん、庭に、星の花がいっぱいさいているよ」

私が小学校3年の時の国語の教科書に、今西祐行の『星の花』が載っていた。 星が大好きな少年・二郎君が、庭に布団を敷いて流れ星を見ようとするお話だ。私は教科書に載っていたものしか読んだことがなく、原文がどうなっているのかは、今のところ知らないの…

僕の青空の千葉県のYさんとマリー

「マリーがぼくに恋をする 甘く悲しい夢をみた 夢をみた 夢をみた」 (ザ・タイガース「僕のマリー」) 私はラブコメというジャンルは好きではない。そもそも「ラブ」という文字がついた段階で、かなり興味を失ってしまう。どんな作品に対してもラブコメ的に…

“怪しい獣”がやってきた

『シン・ゴジラ』を観てきた。 これを観れたのだから、今年はもう無理をしてまで映画館へ足を運ばなくてもいいかな、と思ってしまうほどの傑作だった。 読むべき感想や考察、批評は、既に柴那典さんのブログをはじめ、色々と公開されているし、もっと時間が…

「湿度高い系」の仲間入りなんてしてたまるものか

我が家の北側に広がる麦畑(美月家のものではありません)は、先日の強い雨により、かなり広範囲に渡って倒れてしまっている。より茎の色がわかる状態になったのだが、やはり未成熟だ。しっかり育たないまま、倒されてしまった。このいびつな形のミステリー…

ボクと曇り空と麦畑

今年もまたツイッターで同期の星・真子晃一先生が「アイスの実梨味が美味しすぎる」と繰り返しつぶやく時期になったのだが、私の住む北海道の辺境の地では、元々さほどアイスなど食べない私だけでなく、おそらく多くの者がアイスを欲することのない夏を過ご…

校歌削減

日本の国歌、つまり「君が代」は、メロディやアレンジの点において、上手に歌うのは、なかなかの難曲である。しかし、歌詞の短さ(文字数)は、世界で最も短く、ちゃんと意味を理解するかどうかとは別に、単純に歌詞を覚えるだけなら、とても易しい歌という…

書も町も踏み込むことが出来るだけで幸運だ

私は“ひきこもり”の専門家ではないし、精神科医でもなければ評論家でもない。しかし、原因がどんなものであれ、“外へ出る力を失った”状態であることは確かなのだと思う。 社会や周囲の人間の側に大きな問題があるのであれば“外へ出る力を奪われた/潰された”…

「もっと荒々しいさぁ、男らしい映像を撮ってほしいよ」(by.大泉洋)

衝撃映像の定番である牛追い祭りの映像で、老夫婦が荒れ狂う牛に突き上げられる様子を見たことがある。 古くから伝わる祭りというと、どうにも若者は姿を消し、老人ばかりが目立つというイメージを持ってしまうが、少なくとも「牛追い祭り」に関しては、そう…

平成33年の自動車免許制度

自動車免許の更新に行ってきた。 大の車嫌いゆえ、運転など意地でもしないため、違反のしようもなく、結果的にゴールド免許を保っている。講習も優良運転者講習である。だが、違反者の講習というものを一度くらいは見てみたい気もする(自分が受けるのは、怒…

洗い髪が芯まで冷えて

窓の外には神田川……ではなく、稲光。そもそも、正しい歌詞は「窓の外には神田川」ではなく「窓の下には神田川」だったか。まあ、それはともかくとして。 午前中は快晴だった。これでは、いつ停電してもおかしくない。もっとも、選挙期間中というのは、状況が…

ほっとにならないとHOKKAIDO(かつて『ほっとないとHOKKAIDO』というテレビ番組がありました)

7月なのに寒いのである。 梅雨がないはずの北海道で2週間以上雨が続き、ようやく晴れたと思ったら、また雲が空を覆い、暑がりの私が暖房に頼りたくなってしまうほど冷えている。気圧もおかしく、頭もぼんやりする。 気候の変化に対応できなくなったのか、心…

知識の実、いや知識“のみ”

2016年も下半期に突入したので、日記更新のペースを週2回に戻そうと思う。やはり、“他人の目に触れることを前提として文章を書く”という行為は、多く自分に課しておいたほうがいい気がするのだ。 しかし、そう決意したところで、すらすらと文章が生まれてく…

『ひみつの時間』(「ひみつ」なんだから、あまり詳しい話はしないほうがいいかな)

2冊注文しておいた、さよならポニーテールのイラスト集『ひみつの時間』が、私の家に届いた。 http://kuronekopony.wix.com/sayopony ひみつの時間作者: さよならポニーテール出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2016/06/22メディア: 単行本この商品を含むブ…

ある日ぼくらはおもしろそうな架空の映画を見つけた

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『ハーバート・クエインの作品の検討』やスタニスワフ・レムの『完全な真空』、あるいは清水義範の『ナサニエルとフローレッタ』のような、架空の作品の批評/解説ばかり書き続けるブログをやってみようと考えていたことがある。 …

ユビイカ!

私という人間に多少の興味を持っている方なら御存知のことだとは思いますが、私は高校野球というものを激しく憎悪しておりまして(プロ野球も嫌いですが、高校野球よりはマシ。大リーグは、割と好き)、汗と泥にまみれた坊主頭たちや、彼らを心から応援して…

「ポンちゃん丸いねー」って言ってる人が好き

小児ぜんそくを患っていたこともあり、30歳になろうかという現在もなお、もふもふしたやつらと長時間戯れるような行為は、意識的に控えている。 そんな私だが、最近、たぬきの動画を眺めることが増えた。 たぬきはもふもふしている。犬や猫より、もふもふし…

アラン・ロベール氏はあんたたちじゃないからのぼるのぼる

1999年10月4日に放送された『秋の新入荷㊙緊急放出 世界まる見え!テレビ特捜部!! 危険大来襲版』の録画VHSを久しぶりに観た。この回では、世界中の高層建築物を素手で登ることで有名なフランスのスパイダーマンことアラン・ロベール氏の特集が組まれていて…

『社会正義のつもりでデタラメドキュメンタリー映画の手伝いを続ける映画監督志望の女の一生』とか

なんとなく“危険”な香りがしていたので、買ったまま未読のままにしていた渋谷直角さんの『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』を、最近になってようやく読んだ。私の嗅覚は正しかったようで、とんでもないホラーだった(あくま…

一緒にいると不幸になるって本当だったかも

気分の悪くなる話な上に、けっこう日数も経過しており、故に、これから書こうと思っている話のきっかけとなった人物のツイートを調べ直す気力はまったくないため、いくらか不正確な点があるかもしれない。だが、吐きだしておきたいので、書き記しておく。 全…

「なにが出るかな、なにが出るかな、それはサイコロまかせよ」

明治が「サイコロキャラメル」(発売が始まったのは1927年)の全国発売を3月に終了したそうだ。しかし、6月からは北海道限定で土産品として販売されるらしい。詳しい事情は知らないが、おそらく、『水曜どうでしょう』の「サイコロの旅」の影響である。 今後…