2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『この西瓜ころがし野郎』(1)

伸びた爪が土地鴉(とちがらす)の餌になると知ってからは、庭の隙間に指を突っ込むことが日課となり、すっかり指先は土地の栄養を吸ってしなやかになったのだが、いかんせん用済みになった爪切りのやつの愚痴が鬱陶しいので馬を飼い始めるも、馬の爪を削っ…

厚かましい厚意

「他人からもらったものを売る者よりは自分の金で買ったものを転売する者のほうがわかる」とする人がいたのだが、非常に気持ちの悪い倫理観だと感じる。他人の厚意を無下にしてはいけない、といったことなのかもしれないが、厚意や善意というのは、あくまで…

(悪い意味で)アート化する教育

ツイッターなどで体験や主張をラフな漫画やイラストで呟くタイプのものが結構あるが、ためになったりするものも多いけれど、つっこみどころの多いものもたくさんあって、あれはたぶん「絵にしたほうがわかりやすい」と安易に考えて挙げたものなのだろうけれ…

カラスなぜ鳴くの、キツネとの合戦でしょ

『ズートピア』のテレビ初放送で世間が盛り上がるなか、我が家近辺ではカラスとキツネの縄張り争いらしき騒ぎが続いている。幸い、餌付けも攻撃もしていないためか、両者とも人間に立ち向かってくることはないのだけれども、当然ながら前触れなどなしに突然…

単体でいればかわいいものです

昨日、アスファルトの上を移動するミミズを久しぶりに見た。別の場所で目にすることはあるのだが、アスファルトの上のミミズは久しく死骸すら見ていなかった。定期検診のため歯医者に行く途中、バスの窓から強い雨の降る景色を眺めていたところ、信号に捕ま…

浅知恵のあなたは元気な振りも好き

寒暖の差が激しく身体も心もついていかない。4日ほど前は、可能なことなら全裸で生活したいと感じるほど暑かったはずなのに、なぜ昨日の晩はストーブまで使っていたのだろう。今年初の素麺を食べた2日後に、なぜほかほかの鍋を囲んでいたのだろう。そして、…

時代の先端についた目は時代遅れの姿も捉え続ける

Google ストリートビューで我が家近辺の画像を眺めると、映り込んでいる資料庫の窓が整理前の状態なので、どこの誰が気にするわけでもないはずなのに、妙な歯痒さを感じてしまう。最新の画像に更新されるのを心待ちにしている。 日本映画学校に通っていた頃…

お元気ですか あきら君だかやすお君だか忘れたけど

久しぶりに迷惑メールが届いた。サイトの利用料金が支払われておりませんので云々という特に手の込んだわけではないテンプレートなメールであったが、日常生活において他人から何らかの期待をかけられることの少ない私にとって、たとえそれが「こいつなら騙…