2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

十勝石と雨男

試される大地・北海道は、今年で命名150年ということで、イベントが行われたり、特別番組が放送されたりしている。その一環として、1987年に放送が開始された道内のNHK放送局が制作する紀行番組『北海道中ひざくりげ』に、「北海道を代表する“あの男たち”」…

隣の畑に青い影

父が三十代になろうかという頃までは、我が家も専業ではないものの副業としての農業を営んでいたのだが、私が生まれた頃には既に農地を手放して久しく、家の周りはほぼ畑で囲まれてはいるものの、それはすべて近所の農家の方々の畑であり、少なくとも私のよ…

白いギターを弾きながらゴキブリを飲んで死んだ男の死体を洗うバイトをしたという知人について語り出す教師の話

「死体洗いのアルバイトの話」そして「テレビ番組でゴキブリを生きたまま飲み込んで死んだ男の話」というのは有名な都市伝説であり、有名であるがゆえに、そのどちらともがデマであることまで理解している人も少なくないだろう。私が上記の都市伝説を初めて…

その饅頭は甘くない

2割の節電目標が緩和されたので、「じゃあ今日はひとつ、久しぶりに娯楽のために電気を使わせてもらおう、まずは映画でも観よう」なんて思い立ったのだけれども、さて何を観たら良いのだろう、外出する気にはなれなかったので、自分が所有しているブルーレイ…

日曜日のアイスクリームが再び凍るまで

溶けたアイスクリームが再び冷えて固まると、水分と脂肪分が分離し、種類にもよるらしいけれど、まあなんとも美味しくない食べ物が出来上がってしまうようで、北海道とはいえ、まだまだこの時期は暑くなる日も多く、冷凍庫にアイスクリームを常備している家…

節電の秋

地震の影響で各家庭にも節電が求められており、ネットの世界を覗くのも、朝のメールチェックのついでに少々といったところ。もっとも、私の場合はどんな場所でも他人と関わるのは上手ではなく、必然的に頻繁に交流する相手などというのもごく僅かとなり、メ…

2018年9月9日の生存報告

「北海道地震」「震度7」といった文字が様々なメディアで打ち出されているものの、北海道という土地は広いので、私の在住地域の震度は4に届くか届かないか程度。棚から物が落ちたりすることもなく、ガスや水道も影響なし。停電には見舞われたものの深夜だっ…

『この西瓜ころがし野郎』(目次)

その場その場の思いつきだけで改行もせずに書き続けてみた結果。 もっとも、タイトルからも分かる人には分かる通り、ロバート・ネルソンの『この西瓜野郎』から着想は得ています。 『この西瓜ころがし野郎』(目次)(1) https://uryuu1969.hatenablog.com/…

『この西瓜ころがし野郎』(完)

サトリの妻と少女による「舞い戻りの舞」は陽が沈み、やがてまた陽が現れる頃まで続き、舞い終えた頃にはサトリの妻も少女も取り囲んでいた者もすべて憑き物が落ちたようにつやつやした表情となり、つづいて眺めていた者たちの中からすぐに美しく「舞い戻り…