2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「おいしい卵焼きを作るのが夢だった。」

昔ほど観たいテレビ番組がなくなってしまった今もなお、野球中継の延長に対して過剰なまでの憎悪を抱いてしまうのは、散々泣かされてきた経験があるからだ。 幸いにも今年の日本シリーズは巨人の4連敗により最短の日程で終了したが、それでも私の(昔に比べ…

『薬』(2020年11月16日の夢をもとに)

薬は老女の腕を煮しめたもので、三軒の木造家屋程の価値がある。腕は祈ればすぐに生えてくるが、その度にオオエドアブラマキトカゲが一匹失われる。この仕組みを知っているのは長老くらいのものだが、それが知れ渡ったところで土地の者は誰ひとり心を痛めた…

『天水』(2020年11月13日の夢をもとに)

シローさんのお部屋が台所まで天水(あまみず)に満たされてしまったので食事を届けに行く。まだ天水が訪れてこない私の部屋へ避難してもらったほうが良いのだけれど、私はシローさんのお部屋が好きなので、わがままを言ってぎりぎりまで過ごさせてもらうこ…

街は消え、船が現れ、飛び降りた

友達のいない人間にとって修学旅行というのは、常に遭難する危険と隣り合わせである。見知らぬ土地を見知っていると勝手に判断された名前もあやふやな同世代の人間たちと共に行動させられるのだから、少しでも気を抜けばひとりぼっちにされてしまう。学校で…

きみこの「み」はどこにある

常盤貴子を「じょうばんきみこ」と読んだ知人がいる。小学生の頃の話である。人名、特に芸名や筆名であれば「貴子」だけで「きみこ」と読ませる場合も存在するのかもしれないが、知人がそういった例を知っていたわけではなかった。では、知人は「常盤貴子」…

世界は私を待ってはいないだろうが、あの方たちのことはきっと待っている

じわりじわりと私の在住地域でも新型コロナウイルス感染者の数が増えはじめ、当然ここより棲息する人間の数も多い札幌などではもっと大変なことになっており、北海道全域にまたもや不要不急の外出は控えるべしとのお達しがくだったわけだが、コロナウイルス…

世界恐怖症が見る世界恐怖SHOW

「昭和は平静(平成)を装ってるんだ」(『伊東四朗&小松政夫inエニシングゴーズ』より) 令和も平静(平成)を装っているのかしら。「30年かかかって昭和を終わらせたのが平成という時代」なんて話もあったけれど。いずれにしても、装っているだけでは困る…

第四惑星人による第9地区におけるビラ星人とツインテールの生態観察報告

ニール・ブロムカンプ監督による映画『第9地区』に登場する難民として地球にやって来たエイリアン達は、その外見から「エビ」というスラングで呼ばれている。南アフリカが舞台になっていることからも分かるとおり、アパルトヘイト政策が反映されたストーリー…

「めざせアルデバラン」を探して

落ち着いて観られる環境ではなかったので番組名もわからないのだが、小学生の頃、たまたま目にしたテレビでジュニアコンサート的なものが放送されており、6~7歳くらいの男の子が自作曲を(たしかエレクトーンで)演奏していた。視聴環境の問題で音はあまり…