2020-01-01から1年間の記事一覧

カエル側の人間

ようやく涼しさを感じる日が目立つようになってきて、暑さに弱い私などは少しばかり表情が穏やかになりつつあるのだが、近隣の農業の方々はうかない顔をしている。私の機嫌が良いから不快になっているわけではなく(それもあるかもしれないが)、話によれば…

月までの旅路に笑いかけていたフジムラはすでにマラリヤ

アポロ計画陰謀論に関してはすでに多くの学者や識者、懐疑論者たちによる反証が出ているし、陰謀論者も陰謀論者なりの更なる反論をあれこれ挙げているので、いまさら私がどうこう言う必要はないのだけれども、真相がどうあれ、単純に物語としての好みで言え…

バナナは給食に含まれます

ふと、義務教育時代、一度も給食でオムライスが出てきた記憶がないことに気づき、保管してあった当時の給食だよりを一から調べてみたが、やはり載っていなかった。 ひょっとしてオムライスは栄養学的にあまり宜しくないもので、それゆえに給食には出てこない…

そしてジャックもここにいる

『帰ってきたウルトラマン』に「ウルトラマンジャック」という名前が与えられたのは、1984年の映画『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』かららしく、この映画も『帰ってきたウルトラマン』もビデオで知ることになった1986年生まれの私には、彼…

僕らは(日本円にして)3億くらい賭けられている

異星人(だと遭遇した者が思うような存在)から「このままだぞ地球やばいぞ。気をつけろよ」的な警告を受けるという話がたまにあるが、大抵は農夫であったり主婦であったり、いわゆる一般人がほとんどで、懐疑論者でなくとも「もっと伝えるべき相手がいるだ…

記念樹の下には何が埋まっている

「記念樹の下には歴代校長が埋まっている」という話を母校の七不思議の一つとして広めようと画策したことがあったが、荒唐無稽すぎて広まることはなかった。すでに廃校となってしまったが、私の知る限り、校長どころかタイムカプセルすら埋まっていない。 小…

よわいひと

夏バテとみられる体調不良により数日前より安静中。基礎体力の低さゆえ、回復までにはしばらくかかる模様。 悲しき夏バテ [Analog] アーティスト:布谷文夫 発売日: 2020/12/02 メディア: LP Record

お茶が好きな理由はなんとなくわかる

母方の実家は親族付き合いが濃いほうで、大勢の親族・知人たちが集まっての宴会等が開かれることも少なくなかった。さすがに年々、親族陣の高齢化などもあって頻度は減り、今年に至ってはこのようなコロナ御時勢のため強い意志を持って結集を避けているわけ…

もう少し暗いうちでも良かったかもしれない

先日、早朝にこっそり墓参りに行ってみた。早朝ゆえに人もおらず、いわゆる密を気にする必要もない。陽は出ているので、目に見えぬ存在に不必要に恐怖する必要もない。土地柄、むしろ目に見える熊さんに気をつけたほうが良い。 御供え物は持ち帰るよう貼り紙…

体育教師はプールの水をたっぷり飲んでみせたか?

救急車らしきサイレンの音がたびたび遠くから聞こえてくる。熱中症だろうか。今となっては義務教育時代、夏場に体育なんぞをやっていたことが信じられない。当時から授業中、呪いの言葉を胸の内で唱えてはいたが、今なら体育教師を縛って炎天下のグラウンド…

異星人と飴玉

アメリカの片田舎に住む老人が異星人からパンケーキをもらったという話がある。小説でも漫画でも映画でもなく、実話である。 もちろん実話といっても、いまだ異星人の存在は確かめられていないわけで、あくまでもそのおっちゃんが言い張っていたというだけの…

冷やし脳味噌VS湿度くん

冬は冬で脂っ気のなさゆえに、すぐに皮膚のあちこちがひび割れて知らずに衣類や寝具を血で汚したりしている私だが、夏は夏で少しでも汗ばむと気持ち悪くて仕方なく、タオルや汗拭きティッシュで体を頻繁に擦り、風呂でも必要以上に皮膚を削り取り、揚句はあ…

車はあくまでも快適憎らし……じゃなく、快適に暮らす道具

自動車のタイヤをパンクさせる、窓を割る、悪戯書きをする……こういった自動車に対する器物破損行為は、単純な愉快犯、ストレス発散の捌け口、所有者個人への恨みといった理由が多いと思うのだけれど、「自動車そのものに対する不快感」という場合は、どの程…

夏季の柿

柿を食べると具合が悪くなることに気付いたのは中学生になってからだった。別にその時はじめて柿を食べたというほど柿と縁遠い生活をしていたわけではないが、常に冷蔵庫に柿がキープされているほど常食していたわけでもないし、近所に柿の木もなかった。何…

フレッチャーは少し山田孝之に似ていると思う

大リーグが開幕したが、日本プロ野球と違い、元々鳴り物的な応援がほとんどないため、無観客試合でも中継をテレビ観戦しているぶんには、これまでとあまり印象が変わらない。あらかじめ録音されていたらしい歓声が効果音として流れているようだが、アメリカ…

のら猫の漁るゴミ箱もない

近隣で見かけるキツネたちのなかには、猫を捕食しているものもいるらしい。いつだったか、やけにやつれている野良猫を見かけ、「そういえばネズミなんかも見なくなったから餌も少ないのだろうなあ」などと考えていたのだが、餌が少ないのはキツネも同じだっ…

「オレ、穴を掘る わき目もふらずに掘る」(ブロンソンズ「大脱走’95」より)

砂浜に首から下を埋められて出られずにいると、だんだん波が迫ってきて……というのは深刻なものから笑い話で済むものまで、割とよく聞く話ではあるのだが、かつて『世界まる見え!テレビ特捜部』で紹介された海外のレスキュー番組において、少々珍妙な例があ…

ストップ・メイキング・センスなパンダがでろり

ヤワなパンダを殴れる 青白い顔の羊 すぐにパンダが千切れる ほとばしるヤギの生き血 わずか二十日後は すべて朽ち果てよう すぐに駄目になる地球儀 マラリア嘔吐がでろり これは、PUFFYの「愛のしるし」の歌詞が「アジアの純真」と同じく井上陽水の手による…

猿人バーゴンはどう見てもフランク・ザッパでした

1994年頃、たしかニュージーランドだったと思うが、とある山に大きな人の顔のような模様が見つかり、それが面長で髭をたくわえたようにも見えたことから、イエス・キリストではないかと騒がれた。しかし、第一発見者らしい人物はロックファンだったらしく、…

金歯は強盗に狙われやすい

コロナ対策のために施設等の入口にアルコール消毒液が置かれるようになって随分と経つが、この消毒液の周りが混雑して「密」になっている場合がある。よく利用するスーパーが典型で、店舗内やレジ前などはあまり混み合っていないのに、消毒液の前で人の流れ…

お前科オジチャン

小学校時代の同級生・ジェリー君(仮名)のオヤジさんは私の父とも長い付き合いで、私もジェリー君と初めて顔をあわせるよりも前からオヤジさんのことは知っていた。しょちゅう、憂歌団の歌を口ずさんでいる愉快なオヤジさんである。 そんなジェリー君のオヤ…

そして僕は途方にくれる

蝦夷梅雨なのだろうか、しばらく太陽と共に過ごす時間が極端に少ない日々を送っている。吸血鬼のように日光に弱い私には好都合のようにも思えるが、残念ながら日光に弱いというだけで吸血鬼というわけではなく、どうやられっきとした人間ではあるため、日光…

孤独健康法(Alone again, naturally)

約半年ぶりに予約投稿ではなく、リアルタイムな日記を更新。つまり、私は生きています。もともと他人と接する機会が極度に少ない人間なので、コロナウイルスにもインフルエンザにも感染せずに生きながらえておりました。普段からごく自然に孤独になっている…

幸せであるように続いてゆくのかな

拙い小説もどきと予約投稿機能の悪用によって半年分のブログ更新を1月中に終えはしたけれど、はたしてちゃんと反映されているのかしら。 そもそも、私は2020年を半年間も生き延びていられたのかしら。 この日記すら2020年1月12日に書いているものだから、ま…

『空にかたつむりを見たかい?』 第46回(完)

朝は湿度が高めだ。その湿度と妙な夢のせいで、ひどく頭はぼんやりしている。僕は暑さ以上に湿気が苦手だ。肌の潤いを犠牲にしてでも湿気を取り除きたい。おそらく、東京には住めない。 歯磨きと洗顔で不快感を取り除いていたら、すでに土佐先生がキャンピン…

『空にかたつむりを見たかい?』 第45回

その日、僕はキャンピングカーの中で夢を見た。 夢の中で土佐先生は、地面に落ちていた女性用のパンティを拾い、両手の平に乗せて僕に見せた。 「秘儀・浮世離れ」 土佐先生がつぶやいた途端、パンティはむっくりと起き上がり、ふわりふわりと空の彼方へ飛ん…

『空にかたつむりを見たかい?』 第44回

事実だってことにしちゃえば、案外信じる奴が出てくるんだよ。いいことかどうかは、時と場合によるね。 たしか、ムー大陸だったかアトランティスだったかは忘れたけど、最初は創作物として世に出たんだ。でも、相手にされなくて、事実だってことにした途端、…

『空にかたつむりを見たかい?』 第43回

「ねえ、ライアル・ワトソン君」 「その呼び方、やめてもらえませんか。あゆむんでいいです」 「恥ずかしがってたくせに」 食事を終え、他のみんながキャンピングカーの中で寝静まった後、僕は塔子さんと二人で外にイスを並べ、知悦部の夜空を眺めていた。他…

『空にかたつむりを見たかい?』 第42回

知悦部小学校事務職員 土佐洋太 ――知悦部地区小学校と地域を語る 知悦部小学校に赴任してきたのは、もう六年前のことですね。たいへん、良くしてもらっています。 児童数が減少し、欠学年も目立ち、閉校もやむをえないのだろうとは思いますが、やはり残念で…

『空にかたつむりを見たかい?』 第41回

「あったよ。これこれ」 マリサが持ってきたのは、土佐先生や塔子さんが中学三年生だった時の学級新聞だ。 部活動をしていない僕たちは、夏休み中、中学校を訪れることはなかったのだけれど、今日は許可をもらって図書室に集まっている。一応、閉校記念式典…