漫画に関するお話

チワワちゃんとかわったかたちの“遺志”

来年公開の映画『チワワちゃん』にとても期待している。予告を見る限り、岡崎京子先生の作品の映画化としては最良の出来になっているような気がする。主演はこのところほぼ外れなしの門脇麦さんだし、玉城ティナさんは初めて知った時から岡崎作品で描かれる…

僕の青空の千葉県のYさんとマリー

「マリーがぼくに恋をする 甘く悲しい夢をみた 夢をみた 夢をみた」 (ザ・タイガース「僕のマリー」) 私はラブコメというジャンルは好きではない。そもそも「ラブ」という文字がついた段階で、かなり興味を失ってしまう。どんな作品に対してもラブコメ的に…

ユビイカ!

私という人間に多少の興味を持っている方なら御存知のことだとは思いますが、私は高校野球というものを激しく憎悪しておりまして(プロ野球も嫌いですが、高校野球よりはマシ。大リーグは、割と好き)、汗と泥にまみれた坊主頭たちや、彼らを心から応援して…

彼女に比べれば、たしかにマシだった(のかもしれない)

「ファン仲間」みたいな言い方を強調されると、なんだか私なんかがちょっと気になることがあって話しかけたりしても「お前を仲間と認めたつもりはねえぞ」とか言われそうで、近寄りがたくなります。いや、こちらだって「仲間に入れてもらっている」なんて思…

『聲の形』に関するニュースの話をしたいので、ちょっとお時間よろしいですか

さまぁ〜ずの番組タイトルに「さまぁ〜ず」という文字が入っていることが多いのは、「俺たちのことを嫌いな人がたまたま番組を見て不快な気分にならないように」という大竹さんの配慮らしい。私が最近、ツイッターで『聲の形』に関する呟きを控えているのは…

Alone Again(Naturally)

「異星人の存在よりも大切なのは 人間同士のつながりだろう この宇宙に他の知的生命体が存在するしないに かかわらず―― 我々人間は皆 基本的に―― 孤独な存在だからだ」(『X‐ファイル』第3シリーズ第20話「執筆」より) ……ゆえにほんの少し、それがたとえ思…

いいパンやいいコイはあったが、いい子なんていなかった

今日も「完結した今、改めて『聲の形』を読み直して感じたり、考えたりしたことを綴ろう」の回を更新しようと思って準備もしておいたのだが、ついさきほどまで『相棒』の今シーズン最終話「ダークナイト」を鑑賞していたせいで、用意していた内容とは別の視…

かわいいきみを、いい気味だ、なんて笑えない

3月8日をもって終了した「-聲の形-完結記念展 大今良時原画展」。何度も申しておりますように、どうしても行くことは叶わなかったゆえ、どれほど素晴しいイベントだったのか、私は永遠に知り得ません。とりあえず、他のファンの皆様は、素敵な思い出の共有地…

平成の哭きの犬丸、第二次東京オリンピックの悪夢と大今良時原画展に関する哭き声

「考えてもみよ――立小便すら許されぬ世情にあって、立喰いを生業とする者が許されるか否か。彼らもまた路傍の犬たちと運命をともにする他なく、ある者は浮浪者として収容され、そしてある者は首都を逃れ未だ戦後の佇まいを残す地方の小都市へ落ち延びて行っ…

彼女や彼らの「ロック・ミー・アマデウス」な形の『聲の形』

「完結した今、改めて『聲の形』を読み直して感じたり、考えたりしたことを綴ろう」第三回。今回は、アマデウスな硝子とサリエリな植野の話と、将也復活後の展開に関して。一応、ネタバレ注意。 「あなたは不公平だ。理不尽で残酷だ。あなたの思いどおりには…

犬と猫のイメージから考える『聲の形』

前回の「-聲の形-完結記念展 大今良時原画展」に関する記事をこっそり「完結した今、改めて『聲の形』を読み直して感じたり、考えたりしたことを綴ろう」の回の第一回にしてしまおうと思う。原画展の感想を見るのも悔しくて悲しくなる為(行けない理由は、前…

硝子がつばきちゃんのような意味での「物語の象徴」でなくてよかった。

2月7日から、東京・青山のギャラリーGoFaで開催されている「-聲の形-完結記念展 大今良時原画展」。魅力的な催しだが、時間的/経済的余裕の問題から私は断念せざるを得なく、ツイッターのタイムラインに流れてくる幸せそうなレポートが目に入るたびに悲しい…

『聲の形』に関するエントリのまとめ

これまでの『聲の形』に関することをメインにしたエントリ。 2014.7.9 人生を諦めきれない人間たち http://d.hatena.ne.jp/uryuu1969/20140709/14049146092014.7.13 仮にただの事故だったら西宮さんと石田くんはダーウィン賞候補 http://d.hatena.ne.jp/uryu…

「『聲の形』を再読して改めて感じたり、考えたことを綴る」ということが出来ていないことに関する弁明

美月雨竜とかいう謎めいた人物が何故謎めいているかと言えば、その世界に対する影響力の哀しいまでの低さに依るところが大きい。そんな世界に対する影響力の低い謎めいた美月雨竜さんは、昨年わりと熱心に連載を追っていた漫画『聲の形』について、今一度感…

将也と硝子の未来だぜ。ハッピーエンド以外は認めねえっつーの。

終わってしまいました。というわけで、『聲の形』を読んであれこれ考えたり感じたりしたことを書き散らかす回。最終話「聲の形」編(ネタバレ注意)。ついに最終話です。はい。聲の形(6) (講談社コミックス)作者: 大今良時出版社/メーカー: 講談社発売日: 20…

あの子の「聲」を知りませんか。行方不明になりました。

「あまロス」「タモロス」ついでに『モヤモヤさまぁ〜ず2』における重度の「大江ロス」まで経験した美月雨竜さんは(だいぶ狩野アナに慣れました)、来週水曜以降から深刻な「聲ロス」に陥ることと思われますが、さて、どう解消したら良いものか……。というわ…

『聲の形』の『恋の形』的側面に関して私が思う、ひとつの事柄

終わりが近いことへの寂しさと、この段階でとんでもない展開を描かれたら、本当に胃が死んでしまうという恐怖に苛まれながらも、『聲の形』最新話を読んで考えたり感じたりしたことを書き散らかそうの回。第60話「何者」編。聲の形(6) (講談社コミックス)作…

東京には空がないという でも、地元には空しかないともいう

いやあ、しかし、私のツイッターのタイムラインにおいても『聲の形』の感想より先に『風夏』に関する話題が飛び込んできたのは驚いた。そして「もしも、『太陽にほえろ!』が放送されていた時代にネットがあったら」という話を思い出す。ラガーの殉職回で「…

芸術家様ってゲスいね、性格がゲスいね(あーあー、気にいらねえー!)

『聲の形』最新話を読んであれこれ考えたり感じたことを書き散らかしていこう。第58話「成果」編(ネタバレ注意)……なのだけど、今回は書きたいことというか言いたいことが山ほどあるのですが、基本的にそれは『聲の形』という作品そのものに対する考察でも…

やーしょー、同じ石田でも、絶対ジュンイチみたいにはなるなよ。

『聲の形』最新話を読んで、感じたり考えたりしたことをだらだらと綴ってみようの回。第57話「さいかい」編(ネタバレ注意)。聲の形(6) (講談社コミックス)作者: 大今良時出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/10/17メディア: コミックこの商品を含むブログ…

映画作家・永束友宏に気をつけろ!

『聲の形』最新話を読んで、あれこれ考えてみたりしようの回。第56話「登校」編(ネタバレ注意)。聲の形(6) (講談社コミックス)作者: 大今良時出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/10/17メディア: コミックこの商品を含むブログ (63件) を見る と言いなが…

だから「日常」は続いていく

「4巻には「日常を保つ」というテーマがあります。(中略)歩鳥は何故泣いたのか。単に真田家に同情したわけでなく、日常というものがそれを維持しようとする一人一人の善良さで保たれているという事に気付いてしまったからではないでしょうか。そんな歩鳥は…

東地高のオオカミ男は「髪は“永”い友達」だと言った

聲の形(6) (講談社コミックス)作者: 大今良時出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/10/17メディア: コミックこの商品を含むブログ (63件) を見る 単行本第6巻の表紙がわかりましたが、これは……。単行本派の方々は表紙見ただけで絶望に打ちひしがれそうである…

やーしょー、たまに思い出すくらいなら、構わないだろう?

本来の発売日には秘境在住者ゆえに読むことができないので、感想や考察はこうして日曜日に更新しています。というわけで『聲の形』最新話を読んで泣いたり笑ったり考えたりしたことをダラダラ綴ろうの回。ネタバレ注意(話の流れで西尾維新『続・終物語』の…

硝子ちゃんのポニーテールには、さよならしたくないポニ

『聲の形』がコミックナタリー大賞2014で第1位に選ばれたようです(http://comic-award.natalie.mu/2014/)。 というわけで、日曜恒例の『聲の形』最新話を読んで、感じたり考えたり悶えたりしたことを書き残しておこうの回(ネタバレと過剰な愛や憎悪に溢れ…

あの夏、いちばん静かな橋。

恒例(?)となりました、『聲の形』最新話に関してあれこれ考えたり悶えたりしようの回です(ネタバレと私の個人的感情に伴う冷静さを欠いた文章に注意)。 さて、第52話「静寂」。前回は「こんな形で硝子の笑顔を見せられても、余計悲しいだけだろ!」と全…

やーしょー、聞こえるかい? 鏡を壊せ! あッ!

本日も『聲の形』に関して(前々回にも増して冷静さを欠いております。ネタバレと冷静さの欠落した文章に注意。特に、あの黒髪女子推しの方は、読まないことをお勧めします)。 こんな悲しくて切なくて痛々しいもの冷静に読んでいられるか! ……失礼。取り乱…

植野「石田将也がバカなのか、直花ちゃんが合ってましたっていうのか、どっちだ? 言ってみろ」 将也「植野がバカだ」

今回は『聲の形』に関する話のみでお送りします(注:本日のブログは少々冷静さを欠いております。ネタバレよりも、その点に注意が必要です)。 「将硝ちゃんの幸せを願う会」というのがツイッターでイラスト付きで流れてきて、よし私も入る!と思ったが、よ…

石田君、腹を割って話そう。

私みたいなド田舎、というより秘境に近い場所に住んでいる人間は、今すぐその場で映画を勝手気ままに撮る(そんなものを映画と呼ぶか、みたいな話は別として)のには適しているかもしれないけれど、映画学校的なところへ進むのは少し冷静に考えてみてからに…

不幸せな結末

今回もまた『聲の形』の話から。 どうしても植野が好きになれない私は、当然「植野の将也への思いが成就する」という結末には賛成できないのだが、仮にそういう結末を迎えるとして、どのような過程が描かれれば納得できるかを考えてみた。 まず、第一に「西…