考察

蠱惑的な専門外の意見と当たり前の「つまらない真実」

「 物理も工学も専門ではない作家に原発やエネルギー政策のことを訊いて、何が得られるのだろうという意見がある。だが現代の社会ではこういうときに「小説」という形式で「物語」を作っているひとに社会的意見を聴くことになっている。これについて考えを述…

こんなじゃダメ神様、一緒にいてね(映画版『ノーライフキング』について〜「オウノ フウインヲ トコウト オモイマス」)

「ゲームdis本「脳内汚染」文庫版に対するワナワナがきてる。ゲームは人を殺さない。人を殺すのはにんげんだ。問題のすりかえとデマゴーグを喧伝する偽預言者こそひとのこころをころす。ノーライフキングと戦ったいまをいきる子どもたちが「がんばれ!」って…

前田と影山のニュー・シネマ・パラダイス

「スクールカースト(または学校カースト)とは、現代の日本の学校空間において生徒の間に自然発生する人気の度合いを表す序列を、インドなどのカースト制度になぞらえた表現」(Wikipediaより) 映画学校同期で脚本家の真子晃君が映画版『桐島、部活やめる…

2年前の考えは霧の中

別のことを調べている最中に、たまたま演出家の小池博史(この人のことは、あまり知らないが)のブログにたどり着いたので、ちょっと読んでみたら、2010年4月9日の日記のコメント欄が、なにやら荒れていた。 榎本櫻湖という人(調べてみたら、詩人らしい)が…

机上の空論、現場の幻想

今は日本映画大学の相談役という役職(なのかどうかは知らないが)に就いているらしい武重邦男さんが、ブログで「21世紀に入るや日本の男が劣化してきた気がしてなりません」と嘆いていた。しかし、男が劣化してきたことの例として「たとえば僕らの映画の学…

今夜、町は僕らのものだ――バンクシー『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

「私もあなたの数多くの作品の一つです」(赤塚不二夫の葬儀でのタモリの弔辞) バンクシーが死んだ時、ミスター・ブレインウォッシュことティエリー・グエッタは、タモリさんの弔辞ほど感動的にはならないだろうが、しかし同様のことを言うかもしれない。「…

あの日に帰りたくない

BSフジで再放送中のテレビドラマ版『座頭市』。最初のうちは面白く観ていたのだが、ここ最近は「勉強のため」という形でしか観れなくなっている。ただ楽しむためだけなら、もう視聴はやめていただろう。殺陣は文句なしに毎回凄まじいのだが、正直殺陣のシー…

PMC野郎『陛下に届け』、さよポニ『魔法のメロディ』ほか

ポップンマッシュルームチキン野郎『陛下に届け(団体・名称等は実在のものと一切関係ございません公演)』。 御国を象徴するやんごとなきあの御方たちをモチーフにした、かなりスキャンダラスな内容の「ナンセンス皇室コメディ」。 本編前の前説で『裸の銃…

東京バンビ『男子と女子と、ときどき鹿と』

昨日、珍しく演劇鑑賞したのには色々と理由があって、もちろん興味のある作品でスケジュールの都合もついたからというのが最たる理由なのだけど、既に今年中には拠点を故郷・北海道に戻そうと決意している身としては、今の内に小劇場演劇を観ておかないと当…

第23回 日本映画学校卒業制作上映会 〜映画なんかなくても生きていける卒業生による呟き

日本映画学校の卒業制作上映会に行ってきた(ちなみに、腐れ縁お嬢には「何の罰ゲーム?」と言われた。以前、お嬢に私の代の卒業シナリオ集を読んでもらったところ、各作品に毒を吐きまくっていたので、当然と言えば当然の反応)。在学中ですら行かなかった…

元・引きこもりの13日の金曜日VS悪魔のいけにえ 〜語り部 死神〜

告知! 先日放送された、映画学校同期で脚本家の真子晃君のラジオドラマ『13日の金曜日VS引きこもり』のパロディ小説を、真子君の承諾を得たうえで、近日ブログにて発表することが決定しました。 タイトルは『元・引きこもりの13日の金曜日VS悪魔のいけにえ …

信頼というのは、時に恐ろしい怪物を産むのかもしれませんねぇ

読み直してみたけど、やっぱり腹立たしいだけだった井上ひさしの『ナイン』だが、これを基にしたエピソードを『相棒』でやってみてほしいと思った。 おそらく杉下右京が冷たく切り捨てるのは、寸借詐欺をして捕まる元キャプテンではなく、彼を野放しにした他…

要するに酒と野球に甘いのが、日本人の国民性ということでしょうか。

井上ひさしの『ナイン』は、教科書に載っているのを読んだだけなのだが、教科書に掲載されている分だけでは、良さが分からないどころか、腹立たしいだけの作品だった。 『ナイン』は四ッ谷駅前の新道商店街と新道少年野球団のエピソード(東京オリンピックの…

つぶやき散らかした無益なあれこれの保存(11月中旬 その1)

『Q10』 『Q10』の事前情報番組観てたら、蓮沸美沙子がドラマ内で「愛し合ってるかーい!」って叫んでた。「野ブタ。」(脚本は同じく木皿泉)に出演してた忌野清志郎繋がりかな。まあ、大元はオーティス・レディングだけど。 自分が映画学校の後半に書いて…

いじめに対して浅い考えの持主をいじめてみる

昨夜、つぶやいていたことを簡単にまとめる。 映画学校の講師だった武重邦夫さんが運営(?)に関わっていたことで知った会員制のSNS的なコミュニティメディア(日刊ブログ新聞「ぶらっと!」)の中のブログで、「中学生の女の子が、同じ中学の女子生徒に裸…

私達はレミを非難できるか?

その昔、と言ってもそれほど昔じゃない。私の故郷・北海道の某高校が甲子園で大活躍したのだが、その際、地元の暇な方々が市役所等のテレビ前で熱狂的な応援をしていて、普通に市役所を利用しに来た方々に多大な迷惑をかけて、新聞の投書欄で批判されていた…

あらかじめ決められた顧客たちの為のドキュメンタリー

「こじ開ける論理ですよ、その意味じゃあ、奥崎さんがああいう形でアクションを起こしていくその行動のパターンと、僕らがキャメラを持って映画を撮っていくスタイルとは似てますよ。似てるっていうか、同じですよ」(原一男『踏み越えるキャメラ――わが方法…

書を持って町へ出て考えよう

「読書して考えないのは、食事をして消化しないのと同じである」 (エドマンド=バーク) 極端なことを言えば、一年間に365冊の本を読んでも「ああ、面白かった」だけで終わる人間より、一年間に読んだ本が『恋空』一冊(「一冊」と書いたから書籍版のことに…

例のコメントまとめ

漫画『聲の形』に関する記事に繰り返し寄せられていたコメントとのやりとりのまとめ (2014.8.31の記事) 2017/01/20 09:03 当然、石田将也は植野直花を選ぶのが正しいですよ西宮硝子は天使です 天使は主人公の手に入ってはいけない存在です 主人公はずっと…