「有名な監督は例外なく(異常なほどの)食いしん坊である。」
上記は、割と有名な映画監督さんのお言葉であります。個人名を出せば天願大介氏のお言葉です。ですが、こう言い切るからには、全ての「有名な監督」、そして対比のために全ての「有名じゃない監督」の食生活を調査したのでしょう。まことに頭の下がる、たいへんな調査であります。そんなお時間があるのなら新作の脚本でも書いたらどうかと思いますが、そこは凡人には計り知れぬ思惑があるのでしょう。
……なんて、嫌味なことを書く私でありますが、こういう単純な結論を本気で言い切ってしまうのは、「想像力」というものを重視する立場の人間としてどうかと思う(天願さんがどこまで本気なのかは分からないけど。ひょっとしたら、軽いジョークであったのかもしれない)。自身の生活圏内における主観がスタンダードなものであると盲信するのは、はっきり言って阿呆であると思う。血液型性格診断とかゲーム脳とか、そういったいわゆるニセ科学と変わらないんじゃないか。
似たような単純思考で言えば、たとえば初めてビートルズを聴いて「あんまりこのバンド好きじゃないなあ」と思うのは仕方ないことだとしても、ビートルズが良いと感じなかっただけで「ロックは嫌いだ」とか「60年代の音楽は駄目だ」と判断するようなものだ(断っておくが、私自身はビートルズから多大な影響を受けております。あくまで、たとえ話です。まあ、ビートルズがダメなら、ロック好きになれる可能性は低そうではあるけれど)。
だから、私の無益雑文を読んで「気にくわん奴だなあ」と思ったとしても、それだけで私がお薦めしている作品が全て面白くないということにはなりません。ならないはずです。たぶん。
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