40年近く前のドラマや映画に映る女優を見て「最近の女優とはちょっと違うねえ」なんて言う人がいるけど、どちらが好みかは別として、40年も経てば色々と文化状況も変化してくるのだから違って当たり前だろう。わざわざ口にするほどのことではないし、わざわざ言いたがる奴の大半は、なんとしても「昔」を良いものにしておきたいだけじゃないかと思う。
シルヴィ・バルタンなんかは、「最近の女優とはちょっと違う」というより、あの頃の姿で現在に現れたら普通に人気が出るような気がするのだけど、「昔は良かった系の人たち」は、なかなかそういう誉め方をしなかったりする。まあ、シルヴィ・バルタンは女優ではないけど。
シルヴィ・バルタンといえば、ヘレン・シャピロがデビュー間もないビートルズを「出来損ないの成り上がり者」みたいな言い方(はっきり覚えてないけど、たしかそんな感じ)で酷評していたのに対し、「面白くて素敵な人たちでした」みたいな言い方(こちらも、はっきり覚えてない)で高評価していたのを、ビートルズ関連の本で小学生くらいの頃に読み、幼心に「ああ、優しい人なんだろうなあ」と感じたのを思い出す(逆に、ヘレン・シャピロは、歌は巧いけど天狗になってた少女歌手だったんだろうなあ、と思った。まあ、下手だったり気持ち悪かったりするのに天狗な奴よりマシだけど。地方演歌界にそういう最悪なのが多い)。
乳製品がまるでダメで、絶対にフランス料理なんか好きになれそうにないし、パリに4日以上滞在できそうもない(イギリスのフィッシュ・アンド・チップスなら、主食でもかまわないのだが)、1995年の核実験(そういえば、この時の騒ぎによって、環境保護団体「グリーンピース」の存在を知ったなあ。最近はシーシェパードに押され気味で存在感が薄いけど)の悪印象だってあるのに、なんかフランスという国が嫌いになれない(むしろ好印象)のは、たぶんシルヴィ・バルタンとマレッタ・クレージュ(@『裂けた旅券』)のおかげだ。おかげだけど、今でも4日以上滞在できる自信はない。
ところで、タイガースの「銀河のロマンス」の歌詞にある「シルビー」って、やっぱりシルヴィ・バルタンなのかな。シルビー・フォックスもひょっとしたら(シルビー・フォックスは嫌いだけど)。
ついでに言えば「銀河のロマンス」は、私の父がプロミュージシャンだった頃(か、プロになる直前の頃)のレパートリーだった。で、当時のバンドメンバーで最も人気があったハーフの男性(ただ、メンバーからは、ちょっと顔が長かったので「馬」と呼ばれていた)の方を見ながら「愛のくちづけ〜♪」の部分を「馬のくちづけ〜♪」と替えて歌うのが定番ネタだったのだが、「馬」の人気が上がるにつれてブーイングが激しくなり、ついにはコーラの瓶が飛んできたらしい。
いつか、エレキ/GS時代のセミプロバンドの話を書いてみたいと思っていて、暇を見つけては、父から当時の空気感とか小ネタ的なエピソードを聞き出している。
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