元・引きこもりの13日の金曜日VS悪魔のいけにえ 〜語り部 死神〜

 告知!

 先日放送された、映画学校同期で脚本家の真子晃君のラジオドラマ『13日の金曜日VS引きこもり』のパロディ小説を、真子君の承諾を得たうえで、近日ブログにて発表することが決定しました。

 タイトルは『元・引きこもりの13日の金曜日VS悪魔のいけにえ語り部 死神〜』です。

 殺し屋となった元・引きこもりの野呂瀬琢磨。そして、野呂瀬に殺され、死神となった男・城戸良也。城戸は死神の任務であり能力でもある「死の演出」によって、憎き野呂瀬への復讐を狙う。城戸が野呂瀬を憎む「深よくない」理由とは? 生者と死者、そして人皮を被った殺人鬼をも巻き込んで展開する後味の悪い問題作!

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 以下、今週つぶやき散らかしたことの加筆/修正を加えたりしたまとめ。


 ピクルス抜きは認知されてるのに、チーズ抜きとマヨネーズ抜きは、可能であっても「え?」って感じの対応になるのは、チーズファシズム、マヨネーズファシズムだと思う。そんなに腐って固まった牛の乳がいいか! そんなにすえた匂いの卵汁がいいか! だったらピクルスも食ってやれよ! でも、チーズは食えないけど、ピザソースの味は嫌いじゃない人間からしたら、チーズ抜きピザって、頼めるなら頼んでみたいのよね。別世界のことすぎて、存在してるかどうかわからないけど、ピザの耳にまでチーズ入れるくらいだから、たぶん存在してないよね…。ピザ〇ットさん、ピザー〇さん、なんとかチーズを一切使わないピザを開発してくださいな。

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 色々お世話になった地元の市民映画館が、9.11陰謀説映画『ZERO』を公開するらしい。これは、愚行だよなあ。菊池誠さんも「嘘ばっかりの最低映画」って言ってたし(プロパガンダ映画としてはよく出来てるらしいけど。でも、それって余計マズイよなあ)。だいたい、他にたくさん公開するべき映画はあるだろうに。帯広なんて、大作だって公開されないことがあるんだからさあ。『キック・アス』だって公開されてないみたいだし。何故『キック・アス』より『ZERO』が優先されてるのよ。

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 「ぶれないことはなんてかっこ悪いんだろう」と「ぶれないことにしがみつくのはなんてかっこ悪いんだろう」、どっちがタイトルとしてキャッチーだろうか。まあ、言いたいことをストレートに言うだけだと「ぶれないことを褒め称えるのはなんてかっこ悪いんだろう」になるんだけど、長いよね。

 「ぶれないことはなんて胡散臭いんだろう」でも良いんだけど。これだと、早川義夫というよりは吉田拓郎の「イメージの詩」っぽくなるかもしれない。「自然に生きてるってわかるなんて、なんて不自然なんだろう」みたいな。

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 映画学校の同期生・真子晃氏の書いたラジオドラマ『13日の金曜日 VS 引きこもり』に関して。

 やっぱり、私なんかより構成力とかは確実に、圧倒的に高くて、楽しめた(主役の演技にはノレなかったけど…)。ただ、どうも『相棒』の観すぎ、西尾維新の読みすぎのせいか、物語の倫理的な落とし前みたいなことが気になるようになって、『13日の金曜日 VS 引きこもり』に関して言えば、あんな理由で殺し屋になった主人公にこれから殺されることになる多くの人々はたまったもんじゃねえなあ、と(笑)。勿論、殺される側にとっては、殺し屋がどんな背景をもっているか知ることはないのだろうけど、もし知ったら、ふざけんじゃねえよって思うだろうなあ。でも、そう考えていくと、また別の意味で「面白い」ドラマだったかもしれない。続編として、その辺りのことに踏み込んだものも書いてみてほしい。殺される側としてはやっぱり「てめえ一人のナルシシズム生存権を保つために、俺は意味もなく殺されなきゃいけねえのか!」と思うはず(私なら思う)。そこで、あの主人公は何を思い、どう行動するだろう。何かを思っているあいだに、殺されちゃうかもしれないけど。

 それにしても、天然パーマの引きこもりって『ロス:タイム:ライフ』の大泉洋を思い出す。

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 真子晃君のラジオドラマデビュー作『爆弾じゃね?』に関して。

 良くも悪くも引っかかるものがあったのは『13日〜』の方だけど単純に楽しめて、内容的にも役者さんの芝居的にも好きだなあと思えたのは『爆弾〜』の方。まあ、展開は予想通りだったけど、オチが読めた時点でつまらなくなるようなものは、オチが読めなくたってつまらないものだと思うし、王道/ベタ/オーソドックスなものをいかに飽きさせずに持っていくかってのは、とっても大変なことで、『13日〜』を聴いた時も思ったけど、やっぱりそういう力は、真子君は同期生の中で飛びぬけて高かったと思う。映画学校作品って、どうしても文芸クソ路線(端的に言えば、売れないけど深いことはやってます的な作りなのに実のところ深くもないもの。個人的には3世紀遅れの深みのないロシア文学劣化コピーとも呼んでる)に陥りがちなんだけど、エンターテインメントしようっていう心意気が頼もしい(そのせいで、在学中は、冷遇されてた面もあるようだけど)。ラジオドラマってのは、言うまでもなく音だけのドラマであって、『爆弾〜』『13日〜』みたいな、ラノベっぽい世界観との相性は悪くないと思う。アニメの「ドラマCD」と変わらないわけだし。

 ただ、ラジオドラマを聴く層ってものがいまひとつ見えてこないのだけど、少なくとも『爆弾〜』『13日〜』を放送した番組の雰囲気って、あまりそっちっぽく感じなくて、ひょっとしたらたまたま聴いていた人の中には、あの世界観そのものに入り込みにくい人もいたのかもしれない。そういった「この作品は、こういう雰囲気で持っていきます」っていう宣言みたいなものが冒頭にもっと強くあった方が良かったかも、とは少し感じる。松本人志さんも言っていた『ストレイト・ストーリー』の冒頭のやたらゆっくりとしたカメラみたいな、何かが、ね。まあ、言うは易しってやつなんだけど。

 しかし、ラノベっぽい世界って、勿論『13日〜』的な出来事自体はないし、『爆弾〜』みたいに本気で「爆弾じゃね?」と思ってあんな行動をすることはないのだけど、あれに近いノリってのは日々を愉快な仲間とめいっぱい楽しんでやろうと思っているヤツラには、結構リアルなものだったりもするんじゃないかと思う。それは、ラノベっぽいと言うよりは、『木更津キャッツアイ』っぽいってことなんだけど。あるいは、『水曜どうでしょう』的なノリと言っても良い。この辺り、最近、私が『バカデミービデオ大賞』とか観て考えてる「底抜けのバカであることの批評性」に絡んでくる問題かもしれない。バンクシーとかミステリーサークルおじさんとかジョン・タイターとかレミ・ガイヤールとかザック・ゴードンとかJBデストニーとかに共通する何かしらの強さみたいなものね。って、『爆弾じゃね?』は、単純に面白かったよ、っていう感想だけにしようと思っていたのに、結果的に『13日〜』より長々と語ってしまいました。僕の悪い癖です。なんでもは語らないよ、語りたいことだけ(←『相棒』中毒、西尾維新中毒併発患者の症例)。

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 上記の感想を真子君が読んでくれて、そこで、お互い「人」には恵まれてるなあという話になった。たしかに、私もめちゃくちゃ人に恵まれてると思う。高校くらいまでは、恵まれすぎていて、これが普通なんだと思ってたくらい。だから、何度も蔑んじゃうようで心苦しいけど、映画学校入って、2ヶ月くらいは、なんてつまらねえ連中ばっか集まったんだろうとか思ってた。

 まあ、映画学校時代も、数名の面白そうだなあと思った人は、こちらから話しかけるまでもなく話せるようになっていたから、それはそれでいいんだけどね。ただ、それにしたって、中学の頃から続いてる例の腐れ縁連中なんかは、生活の半分というか、僕の人生の2/3くらいを占めている気がする。たぶん、大泉洋さんにとってのミスターとか藤村Dとか嬉野Dとかヤスケンみたいなものじゃないかと。そして、それらもまた、終わりがあるがゆえに大切にしなきゃいけないものなんだろうなあ、と。「楽しいだけ」と揶揄されがちな物語って、実はそういう切なさと紙一重なんじゃないかと思う。

 たとえば、『Q10』だって、物語の骨格を変えずに、あの切ない感じを出さず、パッと見楽しいだけのSFちっくなラブコメとして描くことも可能だったはずで、でも木皿泉さんは、それこそを描こうとしたわけで(描こうとしすぎて、前半は特にメッセージ性が強くなりすぎた感もある)でも、普遍性って、そういうことだろうと今は思ってる。これから、考えが変わっていくか(変わっていかないか)は分からないけど。

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 幼い子供がワガママなのも、若者がおバカなのも、「次」なんてないことを知っているからだと思う。「また今度」なんてあり得ないことを知っているからだと思う。その時の気持ちはその時にしかないものだということを、大人よりもきっと分かっているんだろう。

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 なんか急に四本ほど書きたいもの(一応小説ね)が湧いてきちゃったんだけど、どれもオリジナルじゃなくてパロディというか二次創作みたいなものなんだよなあ…。しかも、元ネタが映画学校時代の実習作品とか真子君のラジオドラマとか超ローカルネタ。まあ、とりあえず欲求のまま書いてみよう。そもそも、胸を張って「完全なオリジナル」と言えるものなんて、書けるものかとも思うし。まあ、それにしたって、この四本(特に映画学校実習作品)は、ローカルすぎる。「オリジナル」としてどこかの賞に応募しても気づかれないくらいに(下手すりゃ、監督した本人が忘れている可能性もある)。

 ちなみに、元脚ゼミの皆さんにも黙っていたけど、卒業シナリオ集に掲載された作品は、全てパロディ小説書かせていただきました。黙ってたどころか、まだ誰にも見せてないけど。タイトルは『恥晒しゆえ』『逆らわぬ氏家』『基本は銭湯』『どこらへん』『イグ・ノーベル・ヤァ! ヤァ! ヤァ!』『男のような女』『「恋空」は俺だって書ける』『疣』『孫合同』『柿生・栗』『渋谷悔しいです』。21期脚本ゼミの人なら、元のタイトルが分かるはず。内容もちゃんと、原作にある程度沿っております。