どんなに自分の人生が悲惨でも電子レンジに入れられた猫よりマシ

 生活保護問題で、需給が必要でありながら「迷惑をかけたくない」とか「風当りが冷たい」などの理由でためらったり、あるいは受給者のちょっとした楽しみにまで他者があーだこーだ文句をつけるような風潮の下では、規制すべき作品は暴力的なもの性犯罪的なものではなく(そういうのだって一概に規制ってのは反対だけど)、むしろ『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』的な作品じゃないかと思ったりする。結構本気で、『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』系作品は、一時的に封印した方がいいんじゃないかと思う。

 どんなに自分の人生が悲惨でも、あの犬よかマシ。

 あの作品の主人公の小年は、どんな事があっても「人工衛星に乗せられて地球最初の宇宙旅行者になったあのライカ犬よりはマシ」だと考えているわけだが、そういう考えが今の取り返しのつかない状態を招いてるとも言える。だいたい、考え方によれば、宇宙見れてよかったじゃんとも思えてしまう。「どんなに自分の人生が悲惨でも、バカな飼い主に濡れた体を乾かす目的で電子レンジに入れられて沸騰させられた猫よりマシ」の方が説得力は高いだろう(あの死に方は、本当にヤダ)。『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』的な人生哲学の行きつく先は、結局ゴールディングの『蠅の王』的なものだと思う。

 私は「人生悲惨だけど、がんばって耐えてます」的な作品が嫌いで、『路傍の石』よりもケストナーの『飛ぶ教室』に惹かれるし、どうせ陰惨なら『蠅の王』くらいいってくれないと納得できない。逆境によって自分は強くなったとか言えるのは、元来強い人間なだけで、どうあがいてもそこまで強くなれない人はたくさんいる。貧すれば鈍するってことの方を説いておいた方が世のためだと私は思う。

 つげ義春の『無能の人』の主人公が、つげ義春本人とは違って、漫画ですら仕事も評価もなくなっているっていうのは、つげ義春の「貧すれば鈍する」的人生哲学を物語っていて、暗いのだけど好感がもてる。つげ義春には『蠅の王』的な短編『蟻地獄』もあるしね。

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蠅の王 (新潮文庫)

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蟻地獄・枯野の宿 (新潮文庫)

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 呟き散らかしたまとめ。


 色んな意味で現代を生きる25歳に似合わない台詞
 「僕が死んだら、葬式では井上順さんの『お世話になりました』を流してください」

 井上順の『お世話になりました』を聴きながら、太宰治の『グッド・バイ』を読むと、また違った味わいが楽しめます。

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 好きな海外の俳優を思い浮かべる。ジェフ・ゴールドブラムウィレム・デフォースティーヴ・ブシェミジェイソン・フレミング……。やっぱり、私は哺乳類より爬虫類の方が好きみたいだ。
 たぶん、私が好きな俳優で、いちばん哺乳類の顔してるのは、ジャン・ピエール・レオだと思う。

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 たけし軍団のダンカンさんの芸名の由来はシェイクスピアの『マクベス』に登場するダンカンらしいけど、私はずっと『ウルトラセブン』に登場する発泡怪獣ダンカンが由来だと思ってた。似てるんですもの。

 そういえばChara(CharじゃなくてCharaね)は、ピグモン(ないしガラモン)に似てるって言われたことがあるらしい。ついでに言うと、私は要潤を見ると、ガラモンを操っていたセミ人間を思い出す。

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 『魚介類 山岡マイコ』は、やっぱり東映不思議コメディのノリだな。増田赤カブトさんの役なんて、三軒茶屋のおばさんとかETおばさん演ってた頃の柴田理恵が思い浮かんじゃって。…ってことは、吹原さんは吹越満か? フライドチキン男的な…。

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 detune.DE DE MOUSEを聴きながら、もう一度『TEO もうひとつの地球』をやってみたいもんだ。フィンフィンのぬいぐるみもうちにはあるんだが、今は安田さん……じゃなくて、onちゃんのぬいぐるみと並んで棚の上に座ってる。
 フィンフィンとかストレイシープに惹かれる心は、ちゃんと私にだってあるんですよ。いつもいつも『ジャンク 死と惨劇』とか『デスファイル』とか『ザ・ショックス』ばかり観てるわけじゃない。

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 貸したまま返ってきてない物で、一番多いのはゲームの攻略本なんだよね。

 私は幼稚園〜小学生の頃ゲーム攻略本マニアで、所有してないゲームの攻略本も持ってたので、ゲーマーな同級生や上級生、下級生から、よく貸してくれって言われてた。いやあ、子供なんか信じるもんじゃないね。ほとんど無事に返ってこなかったもの。だから、小2あたりで、よほど信頼できる奴じゃないと貸しちゃいけないなって思った。思ったところで、返ってこないものは返ってこないんだけどね。

 ちなみに、攻略本マニアになったきっかけは、SFCの『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の任天堂公式ガイドブック。ゲームの世界観を表すためにヨーロッパの古城とかの写真がふんだんに使われていて、見てるだけで心地よかった。……まあ、この本も一時行方不明になって、後から買い直したんだけどさ。

 親としても、ゲームソフトそのものを買い与えると5000〜1万以上くらいの出費になってしまうけど、攻略本だけならせいぜい1500円くらいなので、結構すんなり買い与えてくれた。怪獣好きの子供が怪獣の名前でカタカナを覚えたように(幼稚園時代の私がそう)私はゲーム攻略本で漢字を覚えた。ゼルダは本編でも、結構漢字が使われていたしね。「捕える」とかは、普通の読書や学校で習う前にゼルダで覚えた。ゲーム開始直後に「たすけてください…私は、お城の地下ろうに捕えられています」って台詞が表示される。さすがに「牢」は漢字じゃなかった。

ゼルダの伝説 神々のトライフォース

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 「本音を言わせたきゃ酒を飲ませろ? じゃあ、なんだ、酒は言葉の便秘薬ってことか? 酒蔵の職人さんに失礼な話じゃねえか」

 まあ「本音を言わせたければ酒を飲ませろ」ってのは、シナリオや小説のテクニックとしてはアリかもしれないけど、倫理的にはナシだと思うんだ。そういうシーンを描かなきゃいけなくなっても、肯定的に描かないようにしようと思う。

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 「映画学校の某講師は『映画のことだけ考えろ。他にやっていいのは恋愛だけだ』と言った。だから、私は映画学校の三年間は映画と恋愛以外のことばかり考えて過ごした。嫌いなはずのスポーツに関して真面目に考えたりしたのもそのせいだ」

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 ベトナム戦争の時、アメリカ兵の士気を低下させたのはべトコンによってあらゆる場所に仕掛けられたブービートラップだったらしいが、『水曜どうでしょう』の原付ベトナム縦断でミスターと大泉さんの士気を低下させたのも道に点々と置かれた石や穴だった。平和になってもベトナムはトラップだらけか?

 ただし、ベトナム料理は今も昔も日本人の口に合いやすいらしい。国の形も似てるしね。でも、四国とオーストラリアはだいぶ違う。似てるのは形だけ。