(三題噺/テーマ【傘】【蛙】【お伽噺】 2010年06月13日)
『かえる王子とエド・ゲイン姫』
お伽噺の国で、蛙の皮を剥いで作った傘が流行った。
雨を吸収するうえ、日傘としても最適であるという。
お伽噺の国のお姫様は、国一番の傘職人にさっそく良質の蛙傘を作らせた。
できあがった傘を見て、お姫様はたいそう気に入り、傘に口づけをした。
すると傘の一部がぼろりと剥ぎ取れた。
側近の娘たちが失神するなか、お姫様は剥がれ落ちた部分を拾って傘職人にこう言った。
「あなたの知り合いに、ランプシェード職人はいるかしら? この人の顔のような布でランプシェードを作ってほしいわ」