「カルトムービー」というものがあるように、「カルトゲーム」というのもあって、たとえば『カオスシード〜風水回廊記〜』や『キャプテン・ラブ』は立派なカルトゲームだと思う。
エニックスが1995年に発売した『ミスティックアーク』もカルトゲームと言っていいかもしれない。周りでプレイした人は殆どいないのだけど、私はなんだかこのゲームの雰囲気が好きで、時折あの世界に遊びに行っている。
このゲームはRPGなのだが、主人公と仲間キャラクター(つまり、プレイヤーが操作できるキャラクター)が一切喋らない。一応、すべてのキャラに詳細なプロフィールがあり(しかもデザインは山田章博)、中には「その性格ゆえ、彼女と冒険をしているとトラブルに巻き込まれることも多い」なんて書いてあるキャラもいるのだけど、実際にプレイしてもそんなことはない。
だが、ゲームの世界観的には、この「一切しゃべらない」という設定が、かなり効いている。一般的なRPGにおける「仲間」は、冒険を進めるうちに、どこかで出会い、関わり、そして仲間になる。しかし、『ミスティックアーク』における「仲間」は、「フィギュア化された人物にアーク(妖精というか精霊というか、まあそんな感じのもの。冒険を進めるうちに、たくさん手に入る)を宿し、一時的に実体化させたもの」なのだ。
主人公・レミールも、異世界にあるらしい神殿(神殿のある世界は、基本的に神殿しか存在していない。神殿のあちこちに、他の世界への入り口がある)でフィギュア化されていたのだが、ただ一人自力で封印(?)を解き、謎の声に導かれるまま、様々な世界に行き、アークを集める。集めたアークを神殿でフィギュア化されていた人物に宿し、実体化させて「仲間」にし、ともに冒険を進める。だいたい、このような形で『ミスティック・アーク』というゲームは進んでいく。
フィギュア化されている「仲間」たちは、それぞれ別の世界の住人で、共通の言語がなくても不思議ではない。言葉を発さず、当然会話もない主人公と仲間たちを眺めていると、なんだか言葉の通じない者同士が、それぞれの目的すら不明瞭なまま、行動だけは共にしているような感覚に陥ってくる。このあたり、『ICO』のイコとヨルダの関係にも似ている。ゲームの景色がもたらす世界観なども似た匂いを感じるので、ひょっとしたら『ICO』は『ミスティックアーク』の影響下にあるのでは、と思ったりもする。
また、ストーリーに関しても「わからない(明かされない)」ことが多く、何度プレイしても、うっすら緊張感が漂う。スタッフがどこまで計算して作ったのかはわからないが、私は17年間この魅力に囚われ続けている。

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呟き散らかしたことと、呟き散らかそうと思ったことのまとめ
携帯がしょっちゅう圏外になり、地デジになってからはBS以外ほとんど映らなくなった北海道のド田舎ですが、なんとか衿沢世衣子先生の『ちづかマップ』を入手することができました。私は三四郎くんと同じくイトコのりんちゃんのファンです。
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