イカも空を飛ぶ

 『亀も空を飛ぶ』という映画があったが、イカも空を飛ぶらしい。→「日本の学者 空飛ぶイカの存在を証明」 http://japanese.ruvr.ru/2013_02_10/104215211/

 この飛び方から考えると、イカはゴキブリやモモンガ、ムササビなどよりはるかに「空飛ぶ生き物」であると言えそうだ。中学の頃、私はスカイフィッシュ=空飛ぶかたつむり説というのを、友人たちと冗談で考えたことがあるが、海辺で撮影されたスカイフィッシュの映像のいくつかは、ひょっとしたらイカだったのかもしれない。形は似てると思う。

 ちなみに、私はモモンガとムササビが嫌いである。なんというか、中途半端な気がしてならない。飛ぶなら飛べ。ヘビの中にも、長い時間滑空するやつがいるらしいが、飛膜もないのにそれが可能なのだから、ヘビの方が凄いと思う。

 あと、あの「俺、愛されキャラだろ?」と押し付けがましく主張してくるようなでかい目が不快だ。モモンガとムササビ、どちらがマシかと言われれば、目の大きさもあってムササビの方がいい。野生で生きて行こうという強い意志を感じる。モモンガには、チワワ的な「このルックスでも売り出してやろう」という浅ましさが感じられる。言うほど可愛いとは思えないし。

 食物としてのイカはあまり好きではないが、生き物としてのイカは怪しくて好きである。生き物として好きだから、食物として好きになれないという面もある。血が青いのも不気味で素敵だ。そして、モモンガ娘より、イカ娘の方が可愛い(そもそもモモンガ娘というキャラクターは知らない)。

 ついでに言うと、「飛ばないと思っていたものが飛ぶ」という現象という事件というか、そういうのに弱い。私のお気に入り映画の中に『レポマン』『アリゾナ・ドリーム』『ルナ・パパ』があるが、これらはどれも「飛ばないはずのものが飛ぶ映画」だ。『水曜どうでしょう』でミスターを苦しめた「空飛ぶだんご」こと「かっこうだんご」もここに加えてもいいかもしれない。昔、『ビデオあんたが主役』で、おそらくラジコン飛行機を改造したと思われる「空飛ぶゴキブリホイホイ」の映像を見たことがあるが、あれもなかなかシュールで素敵な映像だった。
 
 信じてない癖にUFO映像が好きなのも、こういう嗜好が関係してるからだろう。モモンガはいかにも飛んでみせるぜ、という姿をしすぎである。そのクセ、たいして飛ばない。羊頭狗肉もいいとこだ。

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