http://www.nikkansports.com/sports/news/p-sp-tp0-20130215-1083068.html
(日本社会=体育会体質/爲末大学)
為末大さんによる「スポーツと教育」をテーマにした文章だ。私としては全面的に賛成と言いたいし、たくさんの人に読んでもらいたい。
しかし、「社会の流れにスポーツ界はついていけていない」という点に、少し思うところがある。たしかに、本当についていけていない人がスポーツ界にはたくさんいるのだと思うが、気づいている人も結構多くいるのだと思う。ただし、悪い意味で。
「気づいてはいるけど直そうとしない」、つまり、これまで日本的体育会系資質の人間たちが信じ、生きる基盤としてきた価値観が揺らいできているからこそ、逆流させようとする(こんな時代だからこそ根性を、的な)面も多々あると思われ、そういうタイプの人間には、為末さんの言葉は通じないだろう。
日本的体育会系資質を守りたい人間にとって、「草食系」といったレッテルは、自分たちの価値観を正当なものとするための格好の材料となるわけだが、日本的体育会系資質とは縁遠そうなタイプの若者まで、自らこのレッテルを無邪気に受け入れている節があるのが、どうも気になる。
以前、明石家さんまさんが司会の番組で、宇野常寛さんが「草食系なんてのは、上の世代の勝手なレッテル貼りだ」と言っていたのに対し、鈴木奈々が「草食系男子は増えてます。あたしの彼氏はロールキャベツ系です」などと自信満々に答えていて、こんな調子じゃ俗流若者論による不毛な世代闘争が終わるはずはないよな、とウンザリした気分になった。
ところで、体罰に限ったことではないが、理不尽な「教育」や「扱い」等を受けた側が教える立場になった時、また同じことを繰り返してしまうということは結構あるが、特に体罰だと、本当にそのやり方が良いと思い込まされてしまっている場合もあるのだろうけど(桜宮高校のOBたちによる顧問擁護の動きはこのタイプだろう。痛みに鈍感になってしまっただけだと思うが)、自分が味わった苦しみを次の世代が回避できてしまうのが許せないという思いから「よろしくない伝統」を継続している人もたくさんいる。今回の件で、反対するでも、効果を信じて肯定するでも、程度問題の話をするでもなく「自分の時代にも、そんなことはあった」という言葉で片付けてしまう人は、きっとこのタイプだと思う。報復するのなら、あなたに手を上げた当時の大人や先輩を対象にしろ、と言いたい。
こういうのは、「ずるい」という感情に支配されているわけだが、たとえば、授業/講義を真面目に受けなかった奴が、テスト直前にノートをコピーさせてもらったりして、いい点をとったら、真面目に勉強してきた人の多くが「ずるい」と感じるのだろうが、その要領の良さは全否定するものではないと思うし、もっと言えば「怠け者でも生きられる社会」の方が豊かだし平和な社会だと思う。
問題なのは、真面目に勉強をしてきた者がより良い評価を得られない仕組みの方であり、要領の良い人がノートをコピーするだけで同じような点がとれてしまうというのは、結局それは「形だけの学力」を競っているだけの話だともいえる。それに、真面目だからといって結果が必ずついてくるとも限らないし、冷たい言い方をすれば、テストだけで測れる学力を競っているのなら、一夜漬けで高得点が取れてしまう人の方が「優秀」なのだ。少なくとも、怒るべき対象は「要領の良い人間」や「幸運な人間」ではない。
「私が受けた苦しみを、他の人が味わわないのはずるい」なんて考えは、つまり「全人類は戦争を経験すべきだ」という考えの肯定に繋がると思う。
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呟き散らかしたまとめ
『ペケポン』で壇蜜がレモンを絞る姿を見て飯島直子がグレープフルーツを絞っていてそれを見ていた男が「グレープフルーツになりたい」と呟くCMを思い出した。ちなみに、この男を演じていたのは、まださまぁ〜ずではなくコンビ名がバカルディだった頃の大竹さん。
同じ頃だと思うけど、何かのチョコレート菓子のCMで一瞬だけバナナマンの日村さんが出演してるのがあったはず。ふんわりチョコだか、たしかそんな感じの。何もしゃべらず、ひょこっと顔を出すだけの役。
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『ファイナルファンタジーⅦ アドベント・チルドレン』を観た知人は「ユフィって子、テライユキに似てんな」と言った。
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