同調する奇人

 「奇人の特徴として「非同調的、すなわち一般の社会規範にしたがわない」(デイヴィッド・ウィークス、ジェイミー・ジェイムズ『変わった人たちの気になる日常』)というものがあるが、しかし、奇人ではない多くの人たちは、一般の社会規範に従いつつも、ある程度の妥協をしているものであり、もし完全に、どんな場合においても、一般の社会規範に絶対に従う人間がいたなら、その人はそれはそれで充分に奇人である」

 先日、中学校時代の同級生、上級生、下級生を前に、体育館のステージに立ってこのような演説(おそらく「意見発表会」ってやつだろう。実際私は、中学3年の時、クラス代表として発表を行った)をする夢を見た。

 演説している内容は、なんとなく他の誰かが既に言っていそうなことだ。しかし、中学生の意見発表なんて、大半が既に誰かが言っていそうなことばかりである。中には「僕は部活動を通して、頑張りぬくことの大切さを学びました」というような、卒業文集の寄せ書きみたいな内容のものも少なくなかった。

 野球部を通じて、努力の大事さ、仲間の大事さを学んだ某後輩は、その後、自転車の窃盗がバレて高校を退学になった。

変わった人たちの気になる日常―世界初の奇人研究

変わった人たちの気になる日常―世界初の奇人研究