「テレビばかり見てると馬鹿になる」という言葉を私が嫌っているのは、何度か書いたと思う。
しかし、これはテレビというものは、総じて質の悪いものであるという偏見からきているのだろうが(私は、そこに反対したいわけだが)、もうひとつ「テレビを真剣に観る人は基本的にいない」という意味もたぶん含まれていて、そこは(残念に思うが)頷ける。
小学校や中学校の頃、クラス内での会話を聞いていると、前日に観たテレビ番組の話題がかなりあがっているのだが、みな記憶が曖昧であった。なぜ、そんな思い違いをしているのか分からない奴もいて、どんな番組でも「真剣」に「集中」して観ていた私は、聞こえてくる間違いだらけの会話に苛々していた。だが、それも仕方のないことだったのだろう。他のみんなは、私ほどテレビを真剣には観ていなかったのだ。好きな番組を頻繁に録画し、そしてそれを保存版にして、暇があれば何度も繰り返し観る、などということはほぼないのだろう。
中学の中盤くらいで、そのことにようやく気付いた。映画学校入学後、ある同期生の部屋にお邪魔した際、映画のVHSやDVDが並んだ棚に『世界まる見え テレビ特捜部』などを録画したビデオテープが混じっているのを見て、ああやっと同じようなことをしている奴に出会えたと感動すらした(どうりで、そいつとは知識が被っていると思った)。
何も考えずに、ただぼんやり眺めているだけなら、そりゃ馬鹿にもなる。それは、テレビだけでなく、映画でも本でもゲームでも同じだろう。
以前、どこかで家電としてのテレビが大型になったために、テレビ離れが起きたという説を聞いたが、それは「なんとなくだらっと見ていたものの存在感がやたらと大きくなったため」だとされた。大画面のテレビは、その存在が大きすぎ、だらだらと会話や食事をしながら番組を流すことに適さいのだという。確かに、そうかもしれない。実際、大画面テレビの広告では、映画かスポーツ中継のことばかり宣伝されていたように記憶している。
だとすれば、それは観る側の意識の問題だと思う。テレビの質の低下(私は、あまりそうは思わないのだが)があるとすれば、真剣に観ない視聴者に作り手が合わせていった結果なのだろう。
私は、今も昔も、テレビを「だらっ」と眺めることはほぼない。どんなに酷いと感じる内容でも、映画や演劇に対峙する時と同じ姿勢で視聴する。
というわけで、ここに私が特に影響を受けたテレビ番組(ドラマ、アニメは除外する)の一覧を載せておこうと思う。当然、リアルタイムで鑑賞できたものに偏るが、ソフト化や再放送によって観ることができたものも含める。もし気が向いたら、それなりの姿勢で鑑賞してみてほしい。
『おかあさんといっしょ』(NHK/1959年〜)
『みんなのうた』(NHK/1961年〜)
『題名のない音楽会』(東京12チャンネル→日本教育テレビ→テレビ朝日系/1964年〜)
『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』(日本テレビ系/1969年〜1971年)
『ひらけ!ポンキッキ(ポンキッキーズ)』(フジテレビ系/1973年〜2006年)
『史上最大!アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系/1977年〜1992年)
『今夜は最高!』(日本テレビ系/1981年〜1989年)
『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系/1981年〜1989年)
『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系/1982年〜)
『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系/1982年〜)
『スーパーJOCKEY』(日本テレビ系/1983年〜1999年)
『世界の決定的瞬間シリーズ』(日本テレビ/1984年〜)
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系/1985年〜1996年)
『さんまのまんま』(フジテレビ系/1985年〜)
『とんねるずのみなさんのおかげです(とんねるずのみなさんのおかげでした)』(フジテレビ系/1986年〜)
『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系/1986年〜)
『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系/1987年〜)
『北海道中ひざくりげ』(NHK/1987年〜)
『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(日本テレビ/1988年〜1996年)
『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送/1988年〜)
『平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国』(TBS系/1989年〜1990年)
『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』(フジテレビ系/1989年〜1992年)
『どちら様も!!笑ってヨロシク』(日本テレビ系/1989年〜1996年)
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系/1989年〜)
『所さんの目がテン』(日本テレビ/1989年〜)
『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(フジテレビ系/1990年〜1993年)
『タモリの音楽は世界だ!』(テレビ東京系/1990年〜1994年)
『ビデオあなたが主役(ビデオあんたが主役)』(テレビ朝日系/1990年〜1996年)
『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ/1990年〜)
『平成名物TV 三宅裕司のえびぞり巨匠天国』(TBS系/1991年)
『視点・論点』(NHK/1991年〜)
『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系/1991年〜1997年)
『ウゴウゴルーガ』(フジテレビ系/1992年〜1994年)
『たけし・所のドラキュラが狙ってる』(TBS系/1992年〜1995年)
『浅草橋ヤング洋品店(ASAYAN)』(テレビ東京系/1992年〜2002年)
『ボキャブラ天国シリーズ』(フジテレビ系/1992年〜2008年)
『発明将軍ダウンタウン』(日本テレビ系/1993年〜1996年)
『モザイクな夜(モザイクな夜V3)』(北海道テレビ/1993年〜1996年)
『ワーズワースの庭で(ワーズワースの冒険)』(フジテレビ系/1993年〜1997年)
『天才てれびくん』(NHK/1993年〜1999年)
『衝撃の映像クラッシュ』(TBS系/1993年〜2001年)
『投稿!特ホウ王国』(日本テレビ系/1994年〜1997年)
『旅・わくわく』(TBS系/1994年〜1999年)
『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系/1994年〜)
『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!(ウッチャンナンチャンのウリナリ!!)』(フジテレビ系/1995年〜2002年)
『一人ごっつ』(フジテレビ/1996年〜1997年)
『LOVELOVEあいしてる』(フジテレビ系/1996年〜2001年)
『水曜どうでしょう』(北海道テレビ/1996年〜2002年)
『道浪漫』(TBS系/1996年〜2004年)
『速報!歌の大辞テン』(日本テレビ系/1996年〜2005年)
『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系/1996年〜)
『SMAP×SMAP』(フジテレビ系/1996年〜)
『めちゃ2イケてるッ!』(フジテレビ系/1996年〜)
『人気者でいこう!』(テレビ朝日系/1997年〜2001年)
『たけしの誰でもピカソ』(テレビ東京系/1997年〜2009年)
『笑う犬シリーズ』(フジテレビ系/1998年〜2003年)
『鈴井の巣(ドラバラ鈴井の巣)』(北海道テレビ/1999年〜2004年)
『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系/1999年〜)
『いばらのもり』(北海道テレビ/2000年〜2002年)
『人生の楽園』(テレビ朝日系/2000年〜)
『夢チカ18』(北海道テレビ/2000年〜)
『1×8いこうよ!』(札幌テレビ放送/2000年〜)
『桑田佳祐の音楽寅さん〜MUSIC TIGER〜』(フジテレビ系/2001年、2009年)
『ノブナガ』(中部日本放送/2001年〜)
『決定!これが日本のベスト100』(テレビ朝日系/2002年〜2005年)
『トリビアの泉』(フジテレビ系/2002年〜2006年)
『ピタゴラスイッチ』(NHK教育/2002年〜)
『爆笑問題のバク天!』(TBS系/2003年〜2006年)
『アメトーーク!』(テレビ朝日系/2003年〜)
『ハナタレナックス』(北海道テレビ/2003年〜)
『おにぎりあたためますか』(北海道テレビ/2003年〜)
『にほんごであそぼ』(NHK教育/2003年〜)
『タモリのジャポニカロゴス』(フジテレビ/2005年〜2008年)
『やりすぎコージー』(テレビ東京系/2005年〜2011年)
『ブギウギ専務』(札幌テレビ放送/2007年〜2012年)
『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』(テレビ朝日系/2007年〜)
『モヤモヤさまぁ〜ず2』(テレビ東京系/2007年〜)
『所さんの世田谷ベース』(BSフジ/2007年〜)
『音楽ば〜か』(テレビ東京系/2008年〜2010年)
『お願い!ランキング』(テレビ朝日系/2009年〜)
『佐野元春のザ・ソングライターズ』(NHK/2009年〜)
『お笑いさぁ〜ん』(日本テレビ系/2010年)
『クイズ タレント名鑑』(TBS系/2010年〜2012年)
『シルシルミシル』(テレビ朝日系/2010年〜)
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呟き散らかしたこと
関西人と違って他県民は掛け合いができないという意見をもらったけど、関西人同士の掛け合いを傍で聞いてる時でも、やっぱりあまり面白くなくて、たぶんその「面白さ」は出身に限らず、身内ノリ的な楽しさなんだろうなと。関西は、そのノリが激しいのか、ノルのが早いのかそういうことなんだろうなと。
いつだったか、明石家さんまさんが、自分は絨毯爆撃で、所ジョージさんがスナイパーだと言っていた。私はやっぱりスナイパーに魅力を感じる。ただ、さんまさんの絨毯爆撃はそれでも爆弾がちゃんと破裂してるから良いんだけど、ほとんどが不発弾という人もいる。
さんまさんがえらく感心していた所さんの「キリンが温泉で顔だけ出している。きっと深い」という言葉(所さんの著作『四字列語』の「新選いろはガルタ」から)。さんまさんは、自分はキリンが温泉に入っているだけで大騒ぎしてしまうが、所さんはそこを冷静に観察して、温泉自体の面白さに気付く。そこが凄い、と。
関西出身同士の掛け合いなら面白くなる、というのが本当なら、参加せず聞こえてくるだけの話が面白いはず。そうとは感じられない。となると、私の笑いへの感度が異質なのか、出身は関係なくただ個人の力量の問題なのか、ということになる。
でも、私は、人気のある芸人、あるいはマニアックな芸人、色々見て来たけど、面白くないと感じたことの方が圧倒的に少ないわけで、そんなにズレているとは思えない。だったら、出身よりやはり個人差だと思うし、出身が関係してるにしても、私の印象だと東京の下町の方が面白い比率は高い。
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SMAPの「現役ミュージシャン提供曲(2000年以降)」の一覧などが書かれている。良記事だと思う。
http://bit.ly/Yxw4eG