ちびっこのポーは常に善人なはずはない。問題は常に悪人と思われているかどうかだ。

「魚はいつも涼しそうでいいねえ」(さよポニLOCKS!第23回より)

 でも、常に生臭いという欠点もあるよねえ。



 自主映画などを撮っていて、ツイッターで相互フォローしている松嵜真一さんが、ドラマ『半沢直樹』の片岡愛之助が演じているキャラクターについて「オネエ言葉を使う人間=いやらしい人間という、かなり旧態依然としたイメージからきており、現代的な視点からは性差別というか、悪意にしかとれないんじゃないか」と呟いていた。

 地デジ化以降、夏季は電波状況が悪すぎるせいか、ほとんどのチャンネルが映らなくなってしまう我が家のテレビにおいて、なんとか映っていたHBC(TBS系)が、最近になってついに映らなくなってしまったため『半沢直樹』もまだ観ることができずにいるのだけど、松嵜さんの一連の呟きを読んだ段階では、特にジェンダー論的に問題があるとはあまり思えない。まず「オネエ言葉を使う人間=いやらしい人間」というイメージを『半沢直樹』の視聴者が持っているかどうかが疑問。むしろ、「オネエ言葉を使う人間」というキャラクターが少なくともテレビドラマの世界においては、さほど珍しくなくなっている気がしていて、だとしたら、「オネエ言葉を使う人間」と「いやらしい人間」という要素は別に繋がってはおらず、「いやらしい人間が、たまたまオネエ言葉を使う人間だった」と捉えられているんじゃないかと思う。

 演出やシナリオにおいて、特に「オネエ言葉を使う人間」と「いやらしい人間」がイコールで結ばれているような描き方がされているのなら指摘も分かるのだが、どうも単に「オネエ言葉を使う人間がいやらしい人間だった」という設定だけでは、そこまで差別的だとは思えない。友部正人の「びっこのポーの最後」のように「障害者にも当然嫌な奴はいる」といったことではないかと思う。オネエ言葉を使う人間が、常に善人として描かれなければいけないのなら、その方が不自然だ。

 問題は、視聴者や作り手にどれだけ旧態依然としたイメージが残っているかだろう。


松嵜さんの監督作品↓

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呟き散らかしたこと



 「“一部を除いて○○だ”という言葉を使う人は、実際にはその“一部”の方が多かったとしても、“○○だ”という自身の意見を過言だったとは言わないだろうし、ましては訂正などしない。確かに、多かろうが少なかろうが一部は一部だ。こういっておけば発言の責任をとらなくて済むと思っているような人たちなんだろう。まあ、一部を除いてね」

 「私だけでしょうか?」と言う人が、本当に「自分だけだ」なんてこれっぽちも思っていないのに近い。

 「酒でも呑みながら考えよう」とか言う奴も、発言の責任をとりたくない奴なんだろうと思う。

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 上士幌の気球大会。昨日、朝の競技が終わったくらいの時間に様子を見に行ったらやたら蒸し暑く、道路警備の人が大変そうだった。もう少し風が強ければ多少涼しくもなったのだろうが、風が強すぎると競技はできんよなあ…

 私が一番気球にハマっていたのは幼稚園の頃。熱気球のクルーと聴覚障害の少女の交流を描いたドラマ『風の仲間たち』(1992年)を録画したビデオが我が家にあるのはその為。音楽は佐藤允彦だった。主演が加勢大周なので、たぶん再放送されることはないのだろうなあ。

 ドラマの原作を一般公募したNTT「風」ドラマ大賞の大賞受賞作品を原作としたのが『風の仲間たち』で、原作者は新田晴彦。ちょっと検索してみたら『アカデミー賞映画で学ぶ映画(シナリオ)の書き方 』『映画で学ぶ生きた英語表現 』といった本の著作者がヒット。同一人物かどうかはわからないけど、おそらくそうだろう。聴覚障害の少女を演じたのは尾羽智加子で、後に「天然少女EX」のメンバーになってたのね(安めぐみなんかもメンバーだった)。で、このユニットに楽曲提供してたのが無名時代の中田ヤスタカだったとは。そして、天然少女EXの元になったドラマ『天然少女萬NEXT-横浜百夜篇』の監督は、三池崇史か。

 ちなみに『風の仲間たち』には、夏目透析になる前のグレート義太夫が釣り人役でちらっと出演してる。義太夫さんのウィキを見たら、出演ドラマの表記がなく、当然『風の仲間たち』も載ってない。ダンカン脚本・主演の『ビデオレター 渇き』ってドラマにも出演してたはずだけどなあ。

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 『ドラバラ鈴井の巣』の作品、とりわけ『マッスルボディは傷つかない』の凄さを映画オタクに対して語るには、「藤原章の映画が公共の電波で毎週放送されていたようなもの」と説明するのが良いんじゃないかとふと思った。
 たとえば、『ラッパー慕情』『ヒミコさん』から感じるものって『マッスル〜』を偶然見てしまった人が感じたものと同質のものだと思う。ただ、『人糞作戦』並みのカゲキさまで期待されると、ちょっと違う気もするので、ゼロ年代以降の藤原章とした方が良いかも。

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 ホドロフスキーの新作を、地元で公開してもらうには、どんな手段に出れば良いのか考える。
http://www.youtube.com/watch?v=-Za7PlknnTw
アレハンドロ・ホドロフスキー『リアリティのダンス』)

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