挨拶は、お静かに

 今季限りでの引退を表明した石井一久が、『笑っていいとも』のテレホンショッキングに出演した際、「体育会系な元気の良い挨拶は、一般社会には受け入れられないので、挨拶の仕方を学ぶ意味でもサラリーマンとして働く」(引退後は、吉本興業契約社員になるそうだ)という旨の発言をしていた。

 私は、何度も言っているように日本の野球が大嫌いで、必然的に野球選手を好きになることもないのだが、石井一久は数少ない好きな選手の一人だ(野球があまり好きそうじゃないところがいい)。上記の発言に関しても、そうだよなあとニヤニヤしながら聞いていた。

 しかし、スポーツ選手の中にさえ、体育会系的なやたらと威勢の良い挨拶は、一般社会的には鬱陶しいものではないかと考える人がいるのに、どうして少なくない店舗で店員のやかましい挨拶が連呼されているのだろう(多くは居酒屋だが、書籍を扱うような店でもやかましいところがある)。有吉弘行は、ベッキーに対して「元気の押し売り」というあだ名を付けたが、この日本はベッキーどころでない元気の押し売りでいっぱいだ。

 私が通っていた中学校でも、「挨拶は元気よく」という運動(そんなものを「運動」にしないでほしいのだが)があり、誰かとすれ違えばデカい声で「おはようございまーす!」と挨拶されまくり、耳に悪いことこのうえない。

 大きな声であればいいなんて考えは、幼稚園児のお歌で卒業してほしい。