酒を飲んで本音を語ることを良しとはしない高貴な友人が珍しくほろ酔いでかく語りき

「これは多分、年齢、性別、国籍問わずだと思うんだけど、他人から憎まれるっていうのは、何かしらいけないところが自分にあるからなの。これは、どんな場合においても絶対的な被害者なんかいないっていうのとはまた別の話。ただの妬みだって言われるような事でも、妬みなんていう中途半端な感情を相手に抱かせてしまう程度しか、自分が相手より勝っていないっていうことなんだから、そんなレベルで相手にコンプレックスを感じさせてしまうような振る舞いをしていた自分だって多少貶されても仕方ないような人間なんだと思うの。問答無用に自分が勝っている場合に相手に抱かせるのは、きっと“諦めよう”って思い。諦めさせられるほどでもないのに、いちいち“私に何か言ってくる人は妬んでるだけの努力してない奴だ”とか、思うだけでなく口にしちゃうような人こそ、その程度の人なんだと思うの。いや、単にあたしがそういう人が嫌いなだけなんだけどね。妬んだり憎んだりする人を庇いたいわけじゃないけど、でも、自分だって大差ないくせに余裕ぶって批判返ししてる奴が心底嫌いなの。妬んだり憎んだりしているだけの人を味方につけてコテンパンにしてやりたいくらい嫌いなの。そんな奴らをどうやったらコテンパンにできるかしょっちゅう考えてる。なかなか満足のいく答えなんて出ない難しい問題だけど、考えてる時はとっても楽しい。それこそ、批判されても何も思わなくて済むくらい楽しい。勿論、それだけが生き甲斐ってわけじゃないけどね」

酒飲みの社会学―アルコール・ハラスメントを生む構造

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