2014年

 1月1日、しょっぱなから嫌な事があると、幸先が悪いと感じる人は多いだろう。私もそうだ。

 しかし、こんな辛いことが年の始めに起こったのだから、ここで悪い流れは清算されて後は幸せづくめ(そうでなくとも、これ以上の嫌なことは起こらないだろう)だと考える人もいるらしい。こういう人は、どんな年でも良いことばかりに目がいくらしく、幸せな生き方だなあと私なんかは感じてしまう。

 なら、なんとかそんな根拠のない幸せな思考ができる人間になってみようと思わなくもないのだが、人格の矯正などそう簡単にできるわけはないし、簡単にできてしまったとしたら、それはそれで何かしらの洗脳じみた恐怖を感じるし、だいたい、そのようなお気楽思考だからこそ、年の始めに起きたとんでもない不幸をあらかじめ避けることができなかったのかもしれない(反省するとか、思慮深く生きるとか、そういう生き方とは縁が遠そうである)。

 適度に悩み苦しんで、日常の幸せはしっかり噛みしめる。

 それがベストなのだろうし、それが人生というものよ、と某みつを的な人は言うのかもしれないが、適度に悩むってどうすりゃいいんだよ、悩みたくて悩んでるわけじゃねえよ、どうしたら悩みすぎずにすむのかという問題に対して深く悩んじゃったりしてるんだよこちらはよお、と結局まあ悩みは尽きず、胃に鈍くダメージを与える正月料理どもの攻撃とも相俟って、私は毎年この時期、症状の重さに差はあれど、妖怪ムネヤケに苛まれ続けているのである。

 というわけで、胃を抑えながら、あけましておめでとうございます。
 どうか、皆さま、わたくしの胃の痛みを軽減させるような、善意にあふれた対応を今年もよろしくお願いいたします。