果物の缶詰は、災害時よりも病の時に消費する

 風邪気味の時、洋食は重く、中華は油が多くてただでさえ弱っている胃が悲鳴をあげ、じゃあやはり日本人として和食なのかと言えば、これはこれで弱った身体への活力源として心細く、結果的にスパイスの効いたカレーを食したり、レモンやオレンジを齧ったりしていたのだが、そもそも体調がよろしくない状態で美味しい食事を楽しもうとするのが無理な話なのだ。

 だいたい、元来さしてグルメというわけではないどころか、やけに食通ぶった人間に対して不信感を持っているような人間なので、風邪に効いてなおかつ胃にやさしければなんだって良かったのだ。