心配性のオオカミ少年

 ちょっと調子が悪くて、主治医に診てもらったらなんともなかったので、安心して3日ほど過ごしていたら、また調子が悪くなったときの医者への行きづらさよ。

 しかし、ほんのちょっとした身体の不調から、ものすごい重病の心配をして、その心理的ストレスでさらなる体調不良が起こり、また心配になって……という負のサイクルを何度も繰り返している私が、東日本大震災とそれに伴う原発事故に関するデマにあまり惑わされずに済んだのは、ある意味奇跡なのかもしれない。

 いや、「心配」する対象のベクトルがちょっと異なっていたのかもしれない。震災がなくても、いつだって私は自分の身体のことや事件・事故・災害に巻き込まれるのが心配で仕方ないのだから、大きな災害の報せを聞いても、より気をつけようとは思っても、急に心配になってパニックに陥ることがなかっただけだろう。言い換えれば、常時心配、常時パニック状態なわけで、精神衛生上はとても好ましくないのだろうが、突然人が変わってしまうようなことはない。

 こんな調子だと、身体にも負担がかかって、長生きしたいのに自信がない。
 もっとも、医学が発達してくれれば、こんな性格だから他人よりちょっとだけ病気の早期発見の確率も高そうなので、あちこち刺したり切ったりしつつ、結構長く生きることになるかもしれない。
 まあ、医者にオオカミ少年扱いされていなければの話だが。