『聲の形』に関するニュースの話をしたいので、ちょっとお時間よろしいですか

 さまぁ〜ずの番組タイトルに「さまぁ〜ず」という文字が入っていることが多いのは、「俺たちのことを嫌いな人がたまたま番組を見て不快な気分にならないように」という大竹さんの配慮らしい。私が最近、ツイッターで『聲の形』に関する呟きを控えているのは、大好きな作品のことを検索した人が、たまたま私の存在を知って不快な気分にならないようにという配慮である(私自身が作品名を検索して、知らなきゃ良かったと思う人を何人も知ってしまったせいでもある。こういう場合、好きな作品が批判されている方がむしろ気持ち的には割り切れる)。……と言いつつ、後述の件で早々に呟いてしまいましたがね。


 というわけで、『聲の形』に関するニュースが2つ舞い込んできた。

 1つは、7月12日に、横浜FC戦「聲の形コラボマッチ」が開催されるというもの。
http://www.fc-gifu.com/information/9215

 大今先生のサイン会や原画展、コラボグッズの販売だけでなく、デフフットサル(ろう者によるフットサル)日本女子代表選手らが招待され、世界大会に向けての激励会、活動支援ブースが予定されている他、日本語ボイスバンク・プロジェクト(ALS等により後天的に声を失った方、もしくは声を失いつつある方が自然な声で会話できるように、元の声質・声色を再現する音声合成技術を医療に活かしたプロジェクト)のボランティア募集やスタジアムに献血バスが来てドナーを募集したりと、作品のテーマにも寄り添った企画である。

 もっとも、原画展どころか、ツイッター上のファン同士の会話でさえ、近寄らない方がお互いの為と思ってしまう私には、場所が遠すぎるという壁がなくとも、サッカーなんて非コミュ障の象徴のような場に足を運べるはずもなく、やはり、どんな催しにも「ぼっち限定日(団体客禁止・会場でのコミュニケーション禁止)」を設けてほしいと思ったりする。



 もう1つは、教育現場の道徳教材用DVDとして、東映製作により実写ドラマ化されたというもの。
http://www.toei.co.jp/release/edu/1205822_977.html

 予告編を見たら、将也役の子が『カナリア』の時の石田法嗣や『誰も知らない』の時の柳楽優弥を彷彿とさせる目をしていて気になるのだが、誰なのだろう? キャストのクレジットが見当たらないのでわからない。対して、硝子役の子は、少々転ばされる演技に難を感じる。いや、『アイ・アム・サム』のショーン・ペン並に見事に転ばれると、それはそれで心臓に悪いのだけれど。

 ストーリーはかなり変更されている(省かれている)ようだが、質感としては、『日本映画ゼロ世代』(森直人・編)の「「痛みの映画」が闘っている」の項で挙げられていた作品あたりの感じだろうか。Coccoタテタカコが流れてくることはあっても、いきものがかりDEENが流れてくることはなさそうな雰囲気で、その点は、私としてはとても良い(いきものがかりは、雰囲気の良い学校の文化祭のテーマあたりが最適なので、どうしても『聲の形』の中で使いたいのなら、文化祭の会場で流れているとかが良いんじゃないかと思う)。

 ちなみに教育施設・公共団体向けの商品なので、個人への販売は行っていないようだ(価格も66,000円なので、どちらにせよ個人では、なかなか手が出せないだろうけれど)。

 追記:この実写版『聲の形』の予告編に字幕がついていない件は(本編には、字幕付のものもあるらしい)、ひょっとしたら制作側がYouTubeの「自動音声認識による自動字幕の表示」に関して色々勘違いしていたのでは、と疑っている(私自身も、この機能については、よく分かっていない)。「予告編」を作るつもりがそもそもなかったという可能性もあるかな(つまり、「字幕軽視」というより「予告編軽視」)。



カナリア [DVD]

カナリア [DVD]

誰も知らない [DVD]

誰も知らない [DVD]

日本発 映画ゼロ世代―新しいJムーヴィーの読み方 (Cine Lesson (別冊))

日本発 映画ゼロ世代―新しいJムーヴィーの読み方 (Cine Lesson (別冊))

痛みの文化史

痛みの文化史



[rakuten:kantei-c:10821766:detail]

 ―――――――――――――――――――――――――――――― 

 これまでの『聲の形』に関することをメインにしたエントリの目次ページ。

http://d.hatena.ne.jp/uryuu1969/20150208/1423380709