紙ブログ。それは物理的には結構重い。

 一時期、芸能人/著名人ブログの書籍化ブームみたいなものがあった(とは言っても、私がブームだと思っている時期と現在における書籍化の頻度にどの程度の差があるのか、ちゃんと調べたわけではない)。その是非や個別の評価はともかく、その流れで一般人の人気ブログが書籍化されることも増えていったわけだが、しかし、世の中には書籍化されないブログのほうが多く、更新は止まってもネットに残り続けているものもあれば、いつの間にか消えてしまうものもある。

 私は以前から、有名、無名に限らず、気になったブログやネット記事はプリントアウトしておく癖があり(もちろん、個人的に読み直す以外の目的には使っていない)、たとえば、後に書籍化もされた菊池誠さんの『科学と神秘のあいだ』(webちくまでの連載時は『科学者にも怖いものはある』というタイトルだった。書籍には、水玉螢之丞さんのイラストが掲載されていない)は、初回から最終回まですべてプリントアウトしてあるし、映画評論系のブログ(一応、私は日本映画学校の出身である)、文学や漫画、ゲームに関する考察ブログ、あるいは一昨年『コズミックアライブ』でライトノベル作家デビューした真子晃一君など知人たちが気になるブログを書いていることも多い。その他にも色々とこまめにプリントアウトしていて、それゆえに、印刷用紙代やインク代、収納するためのファイル代などが私の財布事情をかなり深刻な状況に陥らせたりもしているのだが、それはしょうがない。

 紙に印刷しておけば、灯りさえあればいつでもどこでも読むことができる。充電切れや停電を心配する必要もないし、ちょっとした衝撃ですべてのデータが真っ白に……なんてこともない。あまり私がKindleを利用しないのも、そういった理由からだ。

 ちょっと前までかなりはまっていたが、目につきやすい他のファンやアンチたちのあれこれが不快すぎて、だんだんと熱が冷めていってしまった漫画(作品そのものが嫌いになったわけではない)にも、多くの考察/感想ブログがあったのだが、そういえば、どれもプリントアウトすることはなかった(数点のファンの描いたイラストや力の入ったコスプレ写真をこっそり「お気に入り」にしたことはある)。今となっては、先述の通り、なかば無理矢理自分の中の熱を冷ましてしまったので、名残り惜しくもないのだが、やっぱり熱中している時から既に、感心するものもあったのだが、そこに書きこまれるコメントやファン同士の嫌な意味での絆というか悪く言えば馴れ合いのような雰囲気に、多少の抵抗を感じていたのかもしれない。ツイッターでも、その人自身には、そこまでの嫌悪感は持っていなくても、かなり嫌なタイプの人の発言をリツイートしてきたりすることの多い人たちがいて、ちょっと前にたまりかねてフォローを外させてもらったばかりだ。

 さて、そんな「紙ブログコレクター」でもある私のこのブログを、わざわざプリントアウトしてまで読んでいる人は存在するのだろうか。何件かこちらの勝手な都合で削除した内容もあるのだが、それらを保存していて、いつか私に対する攻撃材料として利用しようと考えている人ならいるかもしれない。だとすると、たとえ読む人がいなくても、今まで以上に気をつかって更新していくべきなのだろうなと思う。

科学と神秘のあいだ(双書Zero)

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コズミックアライブ (オーバーラップ文庫)

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