平成33年の自動車免許制度

 自動車免許の更新に行ってきた。

 大の車嫌いゆえ、運転など意地でもしないため、違反のしようもなく、結果的にゴールド免許を保っている。講習も優良運転者講習である。だが、違反者の講習というものを一度くらいは見てみたい気もする(自分が受けるのは、怒られているようなものなので御免なので、見学させてもらいたい)。

 さて、今回の30分講習の中で、重点的に語られていたのは、後部座席でのシートベルト着用についてだった。着用しないという人の言い分が何点か挙げられ、その中で指導員が「付け心地が悪すぎる」という理由にのみ一定の理解を示していた。自動車の後部座席に座る機会もしばらく巡ってきていないため、指導員が頷いてしまうほど窮屈なものなのかどうか、私には分からないのだが、もしそうなのだとしたら、自動車メーカーの怠慢なのではないか。それとも、後部座席のシートベルトの窮屈さを解消するのは、素人の私には想像もできないほど困難なものなのだろうか。

 ところで、優良運転者講習の場にいた人々の姿を眺めていると、土地柄の問題もあるのだけれど、たぶん農家の人は少ないのではないかと思った。農家だらけの土地なので、あまり悪口は言いたくないけれど、広い土地を所有していたり、畑の中での作業が多いせいか、公道も自分の土地のような感覚で運転する人がたくさんいるとよく言われたりする。ゆえに違反者も多いのだ。

 農家の子供というのが、また厄介で、彼らは私有地の中で、ずいぶんと小さい頃から「農作業などの手伝い」の一環として、トラックなどを運転している場合がある。そして、親から自分の車を買い与えられるのも早い。それで、安全な運転技術が身につけば問題ないのだが、おそらくそうはならない。実際、地元で農業を継いだ同世代(とその少し上や下の世代。端的に言えば、小学校時代の同級生や上級生や下級生たち)の運転は大抵荒い。荒いだけでなく、エンジン音のやたらうるさい車を乗り回していたりする。音のうるさすぎる車を乗り回すのは、いかにも田舎の“DQN”的で、私にとっては軽蔑の対象でしかない。何度、道にマキビシを撒いて奴らの車を破壊したい衝動に駆られていることか。

 次の更新は5年後。先日の選挙で当選した議員の方々が、車嫌いの私のような人間でさえ「免許は持っていないと面倒が多いよなあ……」なんて思ってしまうような社会を変えてくれることを期待する(ついでに、やかましいエンジン音を撒き散らす奴らから免許も車も運転する気持ちさえも剥奪してくれたら嬉しい。まあ、これは悪魔的願望ですけどね)。

免許がない!

免許がない!