この身体は世界に向いていない

 青空が似合わないのに、天気が悪いと体調も悪くなるようになってしまい、結局、世界がどんな姿であっても輝くことのできない生き物になってしまったらしい。

 というわけで、具合が悪いです。心気症の気もあるので、どんどん精神的にもきつくなっていき、またしばらく使い物にならなくなるでしょう。もともと、たいして使い物にならない人間ではありますがね。

 幸い、本を読んだり、音楽を聴いたりするくらいの力は残っている。眠るのにも体力は必要で、眠ったほうがよい時でも、そうそう寝てばかりもいられない。そういう時こそ読書や音楽鑑賞だ。まあ、健康なときほど楽しむことも糧にすることもできないけれど。しかも手にとった本がヒュー・ミラーの『16の殺人ファイル』。具合が悪いときに読む本ではない気もするが、ちょっとわけあって、読み返してみたかったのだよ。

 ちなみに、私は小説でも映画でもマンガでも、その他あらゆる「物語」において、推理ものというのが、あまり好きなジャンルではない。読書好きな子供がたいてい通る道の『明智小五郎シリーズ』でさえなじみが薄く、ゆえに「少年探偵団」という言葉にも、特に心惹かれたりしない。その反面、ノンフィクションは昔からよく読んでいて、『週刊 マーダーケースブック』なんかも集めていた。私がなにかしらやばい事件を起こしたら、確実にこれらのコレクションがおどろおどろしい音楽に乗せて報道されることだろう。以前に発売されたものも所有しているのに、今月の26日に新たに発売される『ジャンク 全6作 Perfect Box』も予約してしまっているしね。

16の殺人ファイル (新潮文庫)

16の殺人ファイル (新潮文庫)