武器、鎧、盾、兜、装飾品の順番になっていないと嫌

 最近、思うところがあって、暇を見つけては、SFC版の『ドラゴンクエスト幻の大地』をプレイしているのだけれど、かつてプレイした時よりも目が疲れやすくなったように感じるのは、年齢のせいなのか、単純に視力が落ちたせいなのか、はたまた使っているテレビが変わったせいなのか、それら全ての複合作用なのか。そして、目が疲れると必然的に肩もこる。幸か不幸か、日々の微細なる運動によって、私には僅かながらの筋肉がついてしまっているため、肩こりと無縁ではいられないのだ。しかし、これ以上、肩こりには悩まされたくないし、鳥山先生の描くキャラクターのように、脚や腕にもりもりと筋肉が目立つような身体も好みではないので、微細なる運動は微細なるまま継続することにしたい。

 さて、このゲームの仲間キャラクターの中では、私はミレーユ姉さんが好きで(全ての登場キャラクターを含めるとターニアです。理由は私を知る人なら説明不用かもしれません)、遊び人に転職した役立たず状態の姉さんでさえ意地でも前線から外さず、そのせいで守りきれずに死なせてしまったことも何度かあるの。これまで何度か、鳥山先生の描く絵は苦手と言ってきたけれど、ミレーユ姉さんのデザインは、あまり筋肉も目立たず、もしランプの魔神かなにかと出会って願いをいくつか叶えてもらえるのなら、自分の容姿を「女装したらミレーユ姉さんそっくりになるような感じにしてほしい」と伝えるつもりである。現実の私のことを知っている人が聞いたら吐き気を催すかもしれないが、どうせ読んでくれている人なんてそうそういないのだろうから、ここで告白しておこう。

 ところで、このゲームを初めてプレイしたのは、発売当初の1995年(ちょっと遅れて購入したので、正確には1996年の2月頃だったはず)。私は小学校3年生で、当時の私にはプレイしているゲームの進行状況などを語り合う程度の友達がまだ存在したのだけれど、ゲームの世界観を余すところなく楽しみたいため、なるべく時間をかけ、町や村の人々の話を漏らさず聞き込み、アイテムもコンプリートしようとするタイプの者が私以外にはいなかった。まあ、攻略本の内容まで丸暗記しろとは言わないけれど(私はゲームの攻略本が好きで、所持していないゲームの攻略本も何冊か所有している。ドラクエとFFに関しては、アイテムやモンスターなどを掲載順に暗唱できるという役に立たない特技も身につけた)、大抵は、さっさと先に進もうとする者ばかりで(もっとも、このゲームにおいては、序盤に関してだと、なるべくそうしたほうが良い面もある。先に少し触れた「転職システム」の都合上、あまりレベルアップし過ぎると、転職可能になってから「職業」の熟練度が上がりにくくなってしまう)、武器は買うが防具には無頓着というような者も多かった。なんだか、作品の楽しみ方が雑過ぎるように感じ、ひょっとしたらこれが後々の孤立化への布石みたいなものだったのかもしれない。ゲームに限らず、テレビ番組でも、面白がっているくせに、内容をしっかり覚えている者というのは少数派で、しかし、そういったことを指摘しても険悪になるだけなのは分かっていたので、心の奥のほうで不満を溜めこみはじめていた時期でもあった。

 あの頃、とにかく早く進めるばかりだった学友たちは『ドラクエⅥ』に限らず、ゲームを再度プレイしたり、プレイステーションやDSなどの移植版/リメイク版を購入したりしたのだろうか。新たに付属された仲間との会話機能なんて、彼らにとっては邪魔なだけだったのかもしれない。ひょっとしたら、ゲームの存在そのものが記憶の隅のほうに追いやられているのではないかと、なんとなく寂しい気分にもなる。

ドラゴンクエストVI 幻の大地

ドラゴンクエストVI 幻の大地