死ぬまで生きるだけの人生

 「スタントマンなど、命の危険に晒されることの多い男性は、子孫を残そうという本能が働くのか、フェロモンが出ている」という話を、以前『ヨルタモリ』(リリー・フランキーがゲストの回)でタモリさん、否、岩手のジャズ喫茶マスター吉原さんが語っていた(それを聞いたリリーさんは「明日から腹にダイナマイト巻いて歩く」と言っていた)。

 だとすると、フェロモンが出ていない男というのは、命の危険に晒されることが少ないとも言えそうで、ひょっとしたら、長生きする者ほど異性にモテないということなのかもしれない。それはそれで悲しい話ではある。

 さて、比較的病弱な私は、ある意味、病弱ではない人間よりも命の危険に晒されているとも考えられ、ならば、フェロモンが出ていても不思議ではないと思うのだが、そんな気がまったくしない。まあ、病弱な遺伝子など残しても、種の繁栄にとっては不都合と考えることもできる。実際、人類の未来に対して、意味もなく申し訳ない気分になることがあるので、この考えは正しいのかもしれない。

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