「あいつは粘着質だから」などと他人を否定的に語る人間が嫌いなのだが、これは私自身がどちらかと言えば粘着質なタイプであり、ゆえに他人への怒りも自分への怒りも、あるいはどこに対して向ければ良いのか分からない怒りも区別なく、長いこと引きずってしまうもので、逆に「あいつは粘着質だから」などと言う人間は、他人への怒りならまだしも、自分への怒りまで忘れていそうで、そういう人間のせいでこちらもいつまでも粘着質に怒り続けなければならないのではないかと、また延々と粘着質に考え続ける。
さて、そんな引きずる人間であるがゆえに、一日のなかで、大きな嫌なことが一つでもあると「どうしてこう何もいい事がないのだろう」とうんざりした気分になってしまい、数日は塞ぎこんだ気分のまま過ごしてしまうのだが、2017年は、珍しく正月三が日を平和に過ごせ、ようやく今日になって「どうしてこう何もいい事がないのだろう」な気分に陥る出来事に見舞われた。その出来事自体については、これ以上気分を悪くしたくないので語るのは避けるが、三が日を平和に過ごせたおかげで、「まあ、三日間は平和が保てたのだから、幸先は良いほうだと考えても構わないかな」と考えられるようにもなり、30歳になってようやく、わずかながらの成長を確認できたような気もする。
