七「草」って言ってんじゃねえか

 七草がゆの経験がない。そもそも、七草がゆで胃腸を休めなければならないほど、正月に胃が荒れるような食事を続けた経験がない。

 ところで、七草がゆで思い出すのは、昔、なんの番組かは忘れてしまったが、山田邦子さんが納豆やらブルーチーズやら匂いの強い七つの食材を混ぜ込んで「春の七クッサ」というものを作っていたのだけれど、本当はその後で、ちゃんとした七草がゆもふるまうつもりが、納豆だけを本物用の鍋に誤って投入してしまい、七草+納豆がゆというものが出来上がってしまった。しかし、それはそれで案外、食べられなくもないものになっていた記憶がある。納豆くらいであれば、それほど味は悪くならないのかもしれない。

 最近知ったことなのだが、七草がゆは地方によっては、材料が少々異なっていて、山形では実際に納豆汁が振舞われていたりする所があるらしい。さすがにブルーチーズが昔から混ぜ込まれている七草がゆはないと思うが、チーズ嫌いの私が世間を呪いまくるほどに、最近は様々な食品にチーズが混ぜ込まれているので、近い将来、チーズの混ぜ込まれた七草がゆが主流になる危険性も低くはないのではないかと思えてしまい、そうなれば私はなおさら七草がゆから縁遠くなるであろう。