どうしたら自動車……いや「自家用車」というものを減らせるのかいつも考えている

 我が家からゴミステーションまでは、約700メートル。走っていくのにちょうど良い距離だ。ジョギングより少し速く走っても、さほどこたえることもない。この時期にもなれば、雪もだいぶ溶けていて走りやすい。しかし、除雪のたびに寄せ集められた雪が歩道に高く積まれている。大部分の歩道は諦め、車道を走るほかない。僻地なので、車通りはひどく少ない。

 さて、このゴミステーションまでの道は、私の小学校時代の通学路でもある。歩道に雪が積もったままなのは、私の母校が廃校になってしまったからだろうかと一瞬考えたが、よく思い出してみると、小学生だった頃から、この道の歩道が冬の時期にしっかり開いていたことなど、あまりなかったように思う。小学生の身体では吹き飛ばされてしまうほどの猛吹雪の日でも、徒歩で道を歩くことができたのは、結局、当時から車通りが少なかったからなのだろう。ひょっとしたら、私がいまだに自動車というものに慣れないのは、このような環境で育ったからなのかもしれない。

 そんな私は、自分が自動車の免許を取得できていることが不思議でならない。小学校から高校までに出会った多くの連中が同じように自動車免許を保持しているであろうという事実に関しては、恐怖ですらある。そりゃ、悪い奴ばかりではないし、いい奴だってたくさんいたのだけれど、人の良し悪しは関係ない。アイツとかアイツなんかが好き勝手に車を乗り回しているかもしれない世界で、自分まで慣れない凶器に身を包んで走り出そうという気には、どうしてもなれない。だから今日もゴミステーションまで自分の足で走っているのである。