フレンズになれそうにないヒトたちのことは置いておいて

 3月30日(木曜日)の20:00から放送される『石岡良治の最強☆自宅警備塾』の議題が『けものフレンズ』だと知り、これまで「きっとハマってしまうだろうから、とりあえず放送が終了するまでは気にしないようにしておこう」と意識的に避けてきたアニメ版『けものフレンズ』(ゲームとコミックも未観賞)を、ついに第1話から最新話まで観てしまった。ケモナー的な意味合い以外においても『ジーンダイバー』というタイトルがちらほら聞こえてきていた理由がわかった。そして、それは「やっぱり私がハマってしまうタイプの作品だった」ということでもある。

 “実は『けものフレンズ』は、「バーチャル三部作」の三作目として予定されていたのだが、なにかしらの理由によって没となり、ゆえに『ジーンダイバー』と『救命戦士ナノセイバー』の間にはブランクが存在する”なんて話があったら、うっかり信じてしまいそうなほど、「バーチャル三部作」を彷彿とさせる香りがたちこめていた(そういえば、初期『天才てれびくん』では、すかんちが主題歌を担当していたけれど、なんとなくROLLYさんって容姿といいキャラクターといい「フレンズ」っぽいように感じる)。

 さて、「IQが溶けそう」などとも言われた話題の「フレンズ語」(主にサーバルちゃんの)だが、ツイッターなどでは、もっと意味のわからない誤字脱字だらけの発言が垂れ流されていたりするもので、直観的で単純な言葉しか使っていなかったとしても、「で、なにが言いたいんだ、お前は」なんて感じてしまうような会話が『けものフレンズ』に溢れているようには思えず、本気でIQの溶解を心配するのなら、『けものフレンズ』の視聴をやめるよりも、意味のわからない呟きが多いアカウントをブロックしたほうが効果的な気がする。

 それにしても、サーバルちゃんが少ない語彙でひたすら他者や世界を肯定する姿がまぶしい。そして、そんなサーバルちゃんの「君は○○が得意なフレンズなんだね!」や「本当にすごーい」という台詞を現実世界で程度の低いあてこすりのような形で引用する「ヒト」たちの姿は見苦しい。別のマンガ作品に関して「このマンガは性愛的なことは主題じゃないのだから、二次創作などでそういった面が強調されるのはどうかと思う」などと言っていた人が、そんなことをやっているのを見かけると、スネイカーが「ヒト」という存在を消そうとしたのも、なんだか無理もないことだったんじゃないかと思ってしまう。

 最後に、くだらない余談だけれど、公式サイトやウィキペディアなどで設定を調べたかぎり、『けものフレンズ』に亀の「フレンズ」がいないようなのが残念だ。いや、「亀」から連想される卑猥なイメージの話をしたいわけではなく、ただなんとなく、もし亀の「フレンズ」がいたなら、アニメ版での動物園や水族館の職員による解説コーナーは、ぜひ『モヤモヤさまぁ〜ず2』で話題になった「カメボーイ」に担当してほしいな、と思っただけである。