信管だけは手作りしたらあかん、らしい

 朝ドラ『まんぷく』を観ていたら、畑で拾った見ようによっては手榴弾に見えなくもない石をわざわざ半紙に筆で書いた「不発弾」という文字と共に飾っていた中学時代の同級生の顔が頭に浮かび、卒業以降は音沙汰なしだが元気にやっているだろうか、妙なことをやらかして警察の厄介になったりはしていないだろうかなどと失礼なことまで考えたりしたが、よく考えるまでもなく、当時の同級生の大半は、将来もしも警察の厄介になる奴がいるとしたら、それは私であろうと思っていたはずなので、私の勝手な想像は失礼どころの話ではなく、パイナップルくわえて自決せよと思われても仕方のないほどの愚かな行為だったなと反省している。

 さて、マークⅡ手榴弾の愛称が「パイナップル」であることは割と有名だが、ここ日本では、かつて魚肉ソーセージをダイナマイトに見立てて強盗に入ったツワモノがいたらしく、その無鉄砲なまでの行動力には感心するが、当然のようにすぐに見破られ未遂に終わったという。まあ、魚肉ソーセージ数本を腰に巻いて交番の前をうろつけば、すぐに警官に連行されるような気はするが、それは武器を持ったテロリストとしてではなく、あくまで腰にソーセージを巻いた変な奴としてだろう。ソーセージの巻きどころによっては、猥褻物陳列、迷惑防止条例あたりが適用されるかもしれない。『人志松本のすべらない話』で、ほっしゃん。が披露していた「タンポンをダイナマイトと勘違いした友人の話」も彷彿させる。

 しかし、人間というものは余裕がなくなると、見えない縞模様が見えて鹿を虎と間違えたりもする。戦場カメラマンはカメラを武器と間違えられて狙撃されることがあるらしいが、世の中が物騒になると、魚肉ソーセージを持っているだけで狙撃されるなんて事件が起きるかもしれない。いつまでも、パイナップルや魚肉ソーセージを安心して食べることのできる世界であってくれれば良い。そんなに頻繁に食すこともないけれど。