偽物好きのパンクガール・破廉チノ

 ふと「破廉チノ」という名前を思いつき、誰か先に使っていないだろうかと軽く検索してみたが、RCサクセションの元メンバー「破廉ケンチ」と「ハレンチノ」という名前の店舗が数軒ヒットしただけだったので、いずれ女性パンクロッカーかなにかの名前として使ってみようかと考えている。BIKINI KILLのような感じか、はたまたPhewのような気怠い雰囲気か。

 さて、RCサクセションといえば、映画学校時代に書き上げはしたものの誰にも見せずにしまったままにしてあるシナリオに「茶某(ちゃぼう)」というあだ名の登場人物がいる。由来は仲井戸“CHABO”麗市さんである。元々は部活をよくサボることから「サボー」というあだ名がつき、そこに当て字で「茶某」という漢字がつけられ、その読み方が変わって「ちゃぼう」になったという設定だが、さほど本筋とは関係なかった。

 茶某は劇中、中古ソフト屋において安価で叩き売られはじめた『タイタニック』のVHS上・下巻に自作の小説の断片を書いた紙を挟み込む活動を始める。いつか誰かがそれらを独自に並べ変えたり、あるいはそれを基にして違う作品を生み出したりするのを待っているのである。

 茶某の忍ばせた小説の断片を破廉チノが見つけたらどうなるかな。チノが『タイタニック』の中古VHSを好んで購入するとは思えないが、わざわざ購入したうえで叩き壊すとか、そういう意味不明の破壊行為ならやるかもしれない。磁気テープが燃える様を見たかった、なんて理由で火を放つ可能性もあるが、そうなれば茶某の小説はテープより先に灰になるかもしれない。だが、うまいこと風に流されて部分的に燃え残った紙を見つければ少しは興味を持つかもしれない。小説の内容次第では、作者の血を見たがるかもしれない。そのために、金属バット片手に日本中放浪させてみるのも悪くないかもしれない。

 一人で勝手にあれこれ考えている時は、誰からも「そんなのつまんねえよ」「ありきたり」「わけわからん」なんて声も聞こえず、かもしれない、かもしれない、と割と楽しく構想を広げることができる。ただし、一晩眠って目覚めた時には、嘘のように自分の考えがつまらなく感じて結局は棚の奥にしまいこんでしまうことも多い。今回は珍しく、このようにネットの片隅に書き残したりしてみたのだが、一日経てば削除したくてたまらなくなるかもしれない、かもしれない……。

 

BEST OF THE RC SUCCESSION1970?1980

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The First Two Records

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アーント・サリー

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タイタニック(THX版)【字幕ワイド版】 [VHS]

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