回復せよ、2018

 2017年くんは、大人になるどころか、子供のように(主に精神面で)無茶をしたあげく、ぽっきりと折れてしまって、延々と横になるはめになった。そして、横になったまま、その姿を「2018年くん」へと変えた。2018年1月3日、午前9時30分現在も、横になったままである。

 2018年くんが、2018年のうちに再び立ち上がることができるかどうか、誰にもわからない。ある筋によると、再起できる可能性は、だいたい宝くじの2等が当たる確率と同等だという話もある。

 2018年くんの保護者を務める美月雨竜氏は、数年前から、発売される宝くじを最低3枚は購入するようにしている。これは、それぞれの宝くじを1枚ずつ資料として保存しておくためである(ご存知のように、宝くじは毎度デザインを変えている)。3枚すべてが下から2番目の当選金額以上になることなど、特に運に恵まれているわけでもない美月氏には大当たりすることと同じくらいあり得ないことなので、最低3枚購入しておけば、こころおきなく1枚は保存しておけるだろうという考えである。実際、昨年12月31日が抽選日だった3種の宝くじも、それぞれ3枚ずつ購入してあったが、7等(当選金額300円)が2枚あっただけだった。

 そんな美月雨竜氏が面倒をみている2018年くんが、2018年のうちに再起するのは、かなり困難だといえる。残念なことに、美月氏や2018年くんを援助しようという声も聞こえてこない。せめて、2018年くんが、「2018年」という時代そのものに大きな影響を与えるのならば、援助の声もあがりそうなものだが、2018年くんは、美月氏にとっての2018年にしか影響を与えないため、人類にとってはどうでもよい存在なのである。

 このままでは、2018年くんが2019年くんに変身できるかどうかすら危ういが、それで世界がどうこうするわけでもないので、2018年くんと美月雨竜氏は目にうっすらと涙を浮かべながら、ひたすら自然治癒力がどうにかしてくれることを祈って横になりつづけるのである。