犬はどこへいった

 ニュースなどでご存知の方も多いだろうが、ここ3日ほどは阿呆みたいな低気圧の野郎の暴れぶりのせいで私の在住地域周辺もえらいことになっており、静養しようにもびゅうびゅうと唸る風の音や、積もった雪が屋根から落ちる際のゴジラが来たかと思うような重い音、そして「少し天気が落ち着いたら、いや場合によってはこの酷い状況下で除雪せにゃならんのか……」という気の滅入る未来により、精神を落ち着ける頼もしい仲間・頓服薬のロラゼパム君に頼りっぱなし。疲労とゼパム君とばかり戯れ続けたせいか、眠くてしょうがない。

 当然ながら、様々なところで影響が出ており、我が家でも購読している新聞の夕刊が翌日の早朝に届いたりした。この大雪のなか、いつも通りに新聞を配達するなど、到底無理なことなので、早朝だろうがなんだろうが、届けてくれただけでもありがたいのだが、混乱の極致だったのか、なぜか昼近くになって同じ夕刊がもう一部、郵便受けに突っ込まれており、これは連絡したほうが良いものなのかどうか、少々判断に困っている。

 不用不急の外出を控えるよう、テレビやネットなどで注意が促されるなか、窓から外の荒れ模様を観察していたら、犬の散歩をしているらしき人影を発見し、あれは至急必要な外出だったのだろうか、そもそも近隣に住む知人ではなかったように思えるのだが、いったいどこから歩いてきたのか、無事に家までたどり着けたのだろうかと、いろいろ気になっているのだが、今のところ、このあたりでの行方不明や怪我人などの情報は入ってきていない。

 私が小学校低学年の時に経験した猛吹雪とだいたい同じくらいの規模だったように思う。あの時、まだ小さな私は下校時に風で4メートルほど飛ばされた(地面を滑っていった)のだが、散歩に連れられていた犬がどこかへ飛ばされていないことを願う。