アンモナイトに金の針

 ファンタジーの世界では生物を石化する魔法というのがよく登場するが(例えば、『ファイナルファンタジー』シリーズの「ブレイク」など)、それによって石化させられた生物がしばらくして発見された場合、その生物を「化石」と呼んで良いのかどうか、なんてことを小学3年生くらいの頃、ひとりで考えていた。

 様々な国語辞書で「化石」の意味を引いてみたり、考古学なんかの本で厳密な意味での化石とはどういうものなのかを調べ、どうやら化石とは呼べそうにないなと判断したのだけれど、そもそもファンタジーにおける「石化」というものが、いったいどういう状況なのか判然としないので、その点をまずしっかりと定義しないことにはどうにもならないような気もした。

 魔法というのは、大抵の場合、なんらかの解除法がある。『ファイナルファンタジー』であれば、「ブレイク」やそれに準ずる敵の特殊攻撃によって石化させられたキャラクターは、アイテム「金の針」や解除魔法によって治療することができる。つまり、石化は病気や怪我のようなものだといえる。少なくとも、石化=死ではないのだ。ゆえに現実世界における化石とは意味合いはかなり違ってくるだろう。たぶん、アンモナイトの化石に「金の針」を使っても甦ったりはしないと思う。

 だが、少々ややこしいのは、「金の針」というアイテムを石に魂が宿ったタイプの敵に使用すると退治できたりする場合があって、このあたり、「金の針」というアイテムは、ファンタジー世界における「石化」という状態にのみ効力を発揮するわけではないのだとも考えられる。ゆえに、アンモナイトの化石に「金の針」を使った場合、甦りはしないかもしれないが、何らかの現象は発生するかもしれない(仮に甦った場合はアンデッド系といえそうなので、「フェニックスの尾」あたりを使えば退治できそうである)。

 石化と化石はどう違うか、という話とは逸れてしまったけれど、RPGはじっくりプレイするタイプの私は、レベル上げの最中など、いつもこんなことを考えたりしている。