2018年9月9日の生存報告

 「北海道地震」「震度7」といった文字が様々なメディアで打ち出されているものの、北海道という土地は広いので、私の在住地域の震度は4に届くか届かないか程度。棚から物が落ちたりすることもなく、ガスや水道も影響なし。停電には見舞われたものの深夜だったこともあり、あわてて情報を収集することもなく、すぐにまた眠りについてしまい、震源地である胆振地方を中心に甚大な被害が出ていることや、北海道全体が停電に陥っていることなどを知ったのは朝になってからだった。

 私の住まいは、何度かブログでも触れている通り、十勝平野の周りは畑ばかりという土地なので、まさにこの場が震源地となって大きな地割れでも起きない限り、そうそう景色も変わりようがなく、実際、9月6日の日中も、停電は続いていながら、周りの畑ではいつものようにトラクターなどの音が聞こえ、働き者な近隣の知人農家の方々の元気な姿を見ることができた。

 ゆえに、どちらかと言えば、大きな地震の被害に遭ったというより、ニューヨーク大停電的な災害を経験したという感覚である。その停電にしても、8日の午前1時頃まで続いたのだが、日中の生活においては約2日とはいえ、うんざりするほどの不便さを感じたものの、もともと街灯なんてものもほとんどない地域なので、夜中の外の暗さはあまり変わらず、札幌のように暗闇に包まれたこと自体に驚いてしまうことはない。目に映る景色があまり大きな災害に見舞われていることを実感させてくれないのである。

 しかし、この「実感」というやつは、あくまで「自分にはそう感じてしまう」というだけのことなのだが、知識や想像力がひどく欠如していたならば「自分が大丈夫と感じているのだから他も大丈夫」なんて愚かな考えに陥る危険性もあって、実際、東日本大震災を経てなお、極端な電気不用論を唱えるような者も存在するわけで、それはそれで災害のようなものかもしれない。

 などと考えるだけの余裕があるのは、あくまで幸いにも私自身の被害が小さかったからである。というわけで、私のことまで気にかけてくださる希少なほどに優しい方々には、どうか私のことは心配なさらずとお伝えします。その分、被害の大きかった方々のことを気にかけてくだされば、私としても本望であります。