節電の秋

 地震の影響で各家庭にも節電が求められており、ネットの世界を覗くのも、朝のメールチェックのついでに少々といったところ。もっとも、私の場合はどんな場所でも他人と関わるのは上手ではなく、必然的に頻繁に交流する相手などというのもごく僅かとなり、メールやら電話やらでとめどなくどこかから連絡が来たり、逆にこちらから連絡しなければならないということもない。しかも、うつをこじらせて静養中ときているのだから、かなりの省エネ人間と化している。

 また、幸いにも私の在住地域は既に秋の風情になりつつあり(北海道は広いので、他の地域がどうだかは、はっきりしたことは言えない)、クーラーや扇風機に頼りたくなる気候も減ってきているし、ストーブを頼りたくなるような寒さにもなっていない。時期がもう少し前後していれば、かなり厳しい節電生活になったことだろうが、これは不幸中の幸いといえよう。

 日中は、ひたすら紙の本(電子書籍の最大のデメリットは、電気がないと読むことすらできないことだろう)を読み、暗くなれば灯りをつける前に寝る。読書に集中していれば、都合の良いことに夕刻には程よい眠気がやってくるので、導眠剤に頼る頻度も減りそうだ。かえって静養向きの生活スタイルなのかもしれない。

 直接的な被害が少なかった地域でも、今もスーパーなどで多くの商品が品薄となっており、まだまだ日常が戻ってきたという感覚にはなれないだろう。生活が崩れるというのは、当然、身体にも心にも良くない。人それぞれ置かれた状況も持って生まれた体質なども違うわけだから、そう簡単に落ち着くこともできない。運良く、平穏に過ごせそうな状況にある者は、余計な被害や仕事を増やさないためにも、黙ってその平穏を享受することにしよう。