桜が舞い散らかるのはJ‐POP界だけではない

 受験シーズンにスーパーへ行くと、菓子売り場の辺りが桜色に染まっていたりする。多くの菓子が合格祈願の限定パッケージを発売するからである。菓子売り場と清涼飲料水のコーナーは特に季節を反映しやすいようで、ハロウィン時期にはかぼちゃ色に染まっているし、この時期だとバレンタインが近づいているので、やけにハートマークがちらつく。

 食品パッケージの収集を熱心な趣味にしている場合、こういった限定パッケージもこまめに買いあさったりするのだろうが、幸い私はそこまで熱心な収集家にはなれていないので、定番商品の定番パッケージを記録保存用に購入しておけば良いかなという程度で、売り場の色合いが変わるたびに大量の菓子や清涼飲料水を買い物かごに放り込むようなことはしない。そこまでの経済的余裕があるわけでもないし、なにより菓子や清涼飲料水の類そのものが特に好きというわけではないので、やみくもに購入しても胃袋に収納する時に地獄を見ることになってしまう。好みはおろか体調や満腹度によって食事を残すことにまで厳しく非難するような人間ではないが、さすがにわざわざ買っておいて中身だけ捨てるなんてこともできない(さらに熱心なコレクターは中身が入ったまま保存している場合もある。当然、冷凍保存でもしない限り腐敗してしまうわけで、私には大量の腐敗した食品と共に暮らし続けられるほどのコレクター魂は宿っていない。ゆえに収集するのは、きれいに洗ったパッケージのみである)。

 その程度の収集家である私でさえ、そろそろ保存場所の確保に悩みはじめているのだから、より熱心なコレクターが専用の小屋を建てたり、どこか別に収納用の部屋を借りたりするのは無理もない話なのだ。同居人の理解が得られず、最悪の場合、家庭崩壊まで引き起こしたりするわけで、少しでも自分にコレクター的な性質があると感じる人間は、あらかじめ同居予定の相手とはしっかり話をつけておくべきだろう。同居する相手など現れそうもない私のような人間には無縁の話かもしれないが。

 しかし、私に縁のない話だからといって、私の友人・知人にさえ縁がないなんてことはなく、久しぶりに覗いたフェイスブックで知人の一人がどうやら結婚したらしいことを知った。私なんぞが繋がりの巣窟であるフェイスブック上で氏に直接祝いの言葉を贈っても大丈夫なのだろうかと悩んだあげく、判明から数日経った今なお、フェイスブック上では気づいていない振りを続けているのだが、とりあえずこの場で「おめでとう」と述べておくことにする。個人名さえ挙げなければ、「あいつ、美月なんかに祝われてやんのwww」と氏が馬鹿にされることもないだろう。というわけで、知人氏、結婚おめでとう。どうか、お幸せに。

結婚するって本当ですか

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