30パーセントの賑やかな人たち

 とあるアンケートによると、平成と令和をまたいだ今回の大型連休の過ごし方として「自宅でゆっくり過ごす」と答えた人が全体の約70%を占めたらしい。もちろん、アンケートに答える層とはどんな類の人たちなのかという問題もあるし、答えた通りに過ごしたかどうかもわからないけれども、単純に考えれば、ニュース等で目にした大渋滞や大混雑を巻き起こしていたのは、残りの30パーセントに分類される人たちなのである。70パーセントのおとなしい(?)人たちが決起すれば撃退可能だとも言える。おとなしいから今まで決起しなかっただけで、実際に戦闘となればきっと勝てるのだから、30パーセントの賑やかな人たち(文字通りのノイジー・マイノリティー?)は、あまり私たちを刺激しないほうが良いはずである。

 思い返してみれば、オリンピックやワールドカップの中継だって、視聴率は40パーセントくらいだったはずで、ナイツがネタにもしていたように60パーセントは見ていないのである。これらの放送を見ていないと知るや、馬鹿にしてきたり非国民扱いするような者もいたが、もし多数派に属して安心しているつもりなのだとしたら、考えを改めてほしい。決起さえすれば、勝機はこちらの側にある(はず)。

 しかし、いかんせん決起する気のないおとなしい人たちであるから、戦闘などという野蛮な行為も不得手としている可能性が高い。なのでここはひとつ、こっそりと戦闘準備を整えておくことを推奨する。ノイジー・マイノリティーたちが発するノイズに紛れて、着々と肉体を強化し、作戦を練り、来たるべき決起の日に備える。なにか様子がおかしいなと30パーセントのうちのさらに5パーセントくらいの人間が勘付いた時にはもう遅い。多数を占めた反乱分子がノイズを内側から食い破っているだろう。

 などと煽動するようなことを言っているが、私自身はかかすり傷すら負いたくないので、日々の鍛練を続けたとしても、その目的はいかにして無事に逃げのびるかであり、決起に関しては闘争心を眠らせているだけの方々に任せたいなと無責任に考えている。