それでもやっぱり湿度が高いよりはまし

 暑いので窓を開けたいのだが、農家が困るほどの雨不足ゆえ畑の土が乾燥しているうえ、厄介なことに風が強く、砂埃が大量に巻き上がり、ホワイトアウトならぬブラウンアウトというか、なんらかの名称がついているのかどうか知らないけれど、とにかく砂埃が舞いすぎて視界が悪くなり交通事故まで起きる始末で、そんな状態のなかで窓なんぞ開けてしまえば部屋は汚れる目は痛む鼻も痛む、痛みすぎて鼻血まで出る、機械類への影響も心配と災難尽くしとなり、ただでさえ暑さでうんざりしている精神がさらに病んで、いっそ首でもくくろうかなどと考えだしたりしかねないので、とりあえず災難は暑さだけにとどめておこうとエアコンやら扇風機やらといった文明の利器の力で乗り切ろうとしているのだけれども、いかんせんそれはそれで身体に良いものではないようで、暑さゆえの具合の悪さなのか文明の利器に頼り過ぎたがゆえの具合の悪さなのかも判別できぬまま、とりあえず具合が悪いことだけは確かで、かといって今さら雨が降ってもすぐに気温が下がるとも思えず、むしろ蒸し風呂のような最悪の環境ができあがるのだろうから雨乞いをする気にもなれず、農家の皆さんには申し訳なく思いつつも現在の私は風がおさまってくれればそれで良いとしか考えられないのだが、風をおさめる術を知らないものだからどうすることもできず、こんななかで運動会やら体育祭やらに駆り出されている者たちは地獄だろうなあ、すでに義務教育を終えていて良かったなあなどと少しばかりの幸運を感じようとしていたら、高校時代に同じような環境のなかで野球部の全校応援に駆り出されたことを思い出し、胸のうちに再燃する奴らへの殺意のせいで余計な熱が生じはじめたので冷水でも浴びてこようと思う。