中身は天候不順のせいかあまり見かけない

 自宅2階の窓から見える電線にオニグモの抜け殻が引っかかっており、オニグモ嫌いの私としては処分したいのだが手が届く距離ではないし、棒か何かを使えば届くのだろうが、なにせ引っかかっているのが電線なので下手なことはできない。結局、あずましくねえなあと思いつつも放置する他なく、なるべく目を向けないようにしたいのだけれど、どうにも気になって確認してしまう。元々、全般的に蜘蛛が苦手なため、いち早く蜘蛛の気配を察知しようとアンテナを立てているものだから、抜け殻にさえ慣れることもできない。

 そして厄介なことに、この抜け殻がいつまで経ってもなくならない。雨が降ろうと風が吹こうと、かわらず気の抜けたタコのような姿でだらんと垂れ下がったまま、もう1ヶ月近くになる。抜け殻では栄養もないのか、鳥がついばむ様子もない。わざわざ電線に引っかかった蜘蛛の抜け殻に手を出すほど、この辺りの蟻が餌に困っているとも思えない。自然の掃除屋たちにも見放された抜け殻野郎は、いつまで私の気分を損ね続けるつもりなのだろう。

 オニグモとは対照的に、たまに庭や窓辺に顔を見せるリスは、勝手に家にあがりこんで食物をくすねていくこともなく、良好な関係を築けている。リスはなかなか賢いらしいので、手懐けて抜け殻を除去してきてもらおうかとも考えたが、そこまで懐いたリスに危険な任務を負わせるのも忍びない。ティル(勝手に命名。出典:『ジーンダイバー』)には、これからも自由に我が家の敷地を動き回っていてもらおう。

 というわけで、今度晴れた日にでも、うんと腕を伸ばしてエアダスターを抜け殻めがけて吹きつけてみようかと考えている。

ジーンダイバー DVD-BOX

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