日々のワイルドライフ

 ティルと名付けた我が家の庭に住みついているらしいリスは、湿度にやられてロラゼパムの服用によってなんとか苛々を解消している私とは対照的に、庭だけでなく道路にも行動範囲を拡げて軽やかに走り回る姿をよく目にする。たまに現れる田舎趣味丸出しのエンジン音を轟かせるバカ車などに轢かれたりしないかと心配しているが、農作業のトラックやコンバインなども含め、ちゃんと自動車には近づかないようにしているようで、当たり前だが闇雲に走り回っているわけではないらしい。

 我が家の敷地内にもグスベリーなど数種の収穫するほどでもない実をつける植物が手を加えているわけでもないのに生き続け、ちょっと離れた場所には栗の木もある。さらに離れたお隣さんの敷地には、もう十年以上手入れを怠ったがゆえに、害虫に喰われ放題のスモモの木もあり、おそらくティルは食事に困ることはないのだろう。

 さて、リスといえば木の実というイメージだが、基本的には雑食なので昆虫や鳥の卵、時には雛を捕食することもある。5月下旬頃、我が家の玄関先にてっぺん部分に小さな穴の開いた卵(うずらの卵くらいの大きさ)が放置されていたのだけれど、あれはティルの食事の跡だったのかもしれない。昨年は、ちょうど同じ場所に軽傷を負ったらしいハヤブサがちょこんと座り込んでいて、傍らには中身だけをほじくり出されたらしきカナブンの死骸が転がっていたのだが、我が家の玄関先は野生動物にとって食事場所や休憩場所として何か適した面でもあるのだろうか。

 最近は大きな鷺が近くの木の頂上によく君臨しているのだけれど、この鷺が玄関先でくつろいでいたりしたら、さすがに驚くだろう。今のうちからでも、なんとか友好な関係性を築けるようにしておきたい。