せんせい、さようなら みなさん、さようなら

 小・中学校時代の教師たちのなかで、卒業後に数回程度でも交流のあった教師というのはほとんど居ない。そんな卒業以来、顔をあわせることのなかった教師に突然連絡した場合、その教師はどんな反応をするのだろうと時折考える。教師にとって私は数多く相手にしてきた生徒たちの一人でしかないわけだから、詳しいことなど覚えていなくとも不思議ではない。しかし、覚えているかどうかに限らず、卒業してから交流のなかった教え子から急な連絡を受けた場合、多少なりとも警戒心のようなものは芽生えるように思う。身に覚えはなくとも、気づかぬうちに生徒を傷つけたことがあるかもしれないという想像くらいはできてほしい。教師に限った話ではないが、復讐の可能性を考えない者ほど復讐される可能性は高いように思う。

 どれだけ信憑性があったかは別として、「キレる10代」といったワードがメディア等で頻出していた頃、ナイフ防護スーツといったものを買い求める教員が増加したという話を聞いたことがある。子供に怯えきった教師というのも、それはそれで問題だろうが、暴力や暴言等でニュースになる教師たちは報復の可能性を考えたことはあるのだろうか。関わった教師一人一人に「あなたは私から連絡を受けた時、なんらかの報復行為だとは思わなかったのですか?」と訊いてみたいが、私は私で教師側から怨まれている危険性が高いような気がするので、教師も私からの連絡を受けて「これ幸い」と報復準備に取り掛かっているかもしれず、どうやら教師と生徒の関係に限らず、長いこと会っていない人間と連絡を取るのは、お互いのためにも避けたほうが良いのかもしれない。