「サムデイ・ネヴァー・カムズ」
俺が最初に覚えてるのは、
オヤジにこう訊ねたことさ
「どうしてなの?」
なぜなら、
俺には知らないことがたくさんあったから
そしてオヤジは微笑みながら、
俺の手をとってこう言うんだ
「いつの日か、お前にもわかる時が来る」
そうさ、
俺はあらゆる甘えん坊たちにこいつを
伝えるためにここにいるんだ
早く学んだ方がいいぞ、
若い内に学んでおいた方がいいぞ
そうさ、
「いつか」なんて決して来ないってことを
○○○ ○○○ ○○○
「Someday Never Comes. Mmmm‐mmmm‐mmmm…」
「親父は大丈夫そうだな」
塔子さんが歌い終わりかけた時、勝也さんが近づいてきた。
「なに? せっかくあゆむんを誘惑してるとこだったの」
誘惑されていたらしい。
「なんだ? 通報したほうが良かったか?」
勝也さんが笑いながらそう言うと、塔子さんは「あのこと、言っちゃっていいの?」といつもの意地悪そうな笑みを浮かべた。
「いや……冗談だよ」
勝也さんの笑顔が苦笑いに変わる。どうやら、なにか弱みを握られているらしい。
「あ、そうだ。アユム君」
塔子さんから逃げるように、勝也さんは僕に話しかけてきた。
「なんですか?」
「ダイチがイヌフラシの名づけ親を調べてるだろ? 俺さ、その名付け親と知り合いなんだけど、紹介してほしい?」