金歯は強盗に狙われやすい

 コロナ対策のために施設等の入口にアルコール消毒液が置かれるようになって随分と経つが、この消毒液の周りが混雑して「密」になっている場合がある。よく利用するスーパーが典型で、店舗内やレジ前などはあまり混み合っていないのに、消毒液の前で人の流れが滞る。

 これはいけないと思い、私は比較的入手し易くなってきた除菌用ウェットティッシュを持参し、入店前に使用するようになったのだが、混雑している入口から遠いところで手を拭いて入店すると消毒液を無視しているように見えそうで、仕方なく周囲に誇示するかのごとく「除菌」の文字をアピールするような形で店に入っていく。今よりもウェットティッシュが入手困難な時期ならば、それはそれで危険な行為だったろう。貧弱な肉体なので、襲われれば簡単に身ぐるみ剥されてしまう。

 そんななかでレジ袋の有料化という時代の波も押し寄せ、どうやら流れにうまく乗りこめずにいる人も少なからず存在しているようで、マイバッグに入れ忘れたと思われる商品が置き去りにされているのをよく目にするようになった。購入者が慌てて探しに来ることも考えられるので、店員に伝えた方が良いものかどうか悩まされるが、貧弱な肉体でわざわざトラブルの種に触れるのはいかがなものかと考え、いまのところは見て見ぬ振りをしている。

 しかし、この置き忘れ購入商品(と思われるもの)が特にチェックもなく棚に戻されていたらと思うと怖い。わざわざ()で「と思われるもの」と書いた通り、悪意ある者が異物を混入させているという不安は拭えない。まあ、それを言い出すと、置き忘れだけでなく誰でも触れることのできる商品すべてが心配なわけだが、このご時世にいちいち店頭で商品に小さな穴などがないか調べるわけにもいかない。結局は帰宅後のチェックを念入りに行うくらいしか防衛策はないのだろう。買い物におけるストレスは増すばかりだが、その分、いつも以上に必要最低限の外出しかしなくなるので、感染対策的には良いのかもしれない。

金歯

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