猿人バーゴンはどう見てもフランク・ザッパでした

 1994年頃、たしかニュージーランドだったと思うが、とある山に大きな人の顔のような模様が見つかり、それが面長で髭をたくわえたようにも見えたことから、イエス・キリストではないかと騒がれた。しかし、第一発見者らしい人物はロックファンだったらしく、「最初はジム・モリソンかと思った」と語っていた。

 髭をたくわえたヒッピースタイルの顔立ちというのは基本的にキリストの肖像に似ている。キリスト教の歴史に詳しいわけではないが、たぶん『ジーザス・クライスト・スーパースター』より前から似通ったものはあったと思う。ゆえに、キリストの顔のように見えるものは、すなわちジム・モリソンにも見えるし、ジョン・レノンにも見えるはずである。

 ところで、あくまで雑誌「ムー」的な話ではあるが、日本にもキリストの墓とされる場所が青森県の三戸にある。麻原彰晃が著作から多くを引用した酒井勝軍も絡んでくる話なので、その詳細は「ムー」を正しく楽しむ時の姿勢でもって各々が調べてくれれば良いと思うが、この話を世間に広める役目を担った山根キク(つまり同類)は、キリストの墓とされた土地を所有していた沢口氏に対し「顔が似ている」という理由でキリストの子孫に違いないと伝えたらしい。もちろん、山根キクの思い込みが大きかったのだろうが、昭和初期の青森県三戸にキリスト(およびジム・モリソン、あるいはジョン・レノン)のそっくりさんがいたというのは、なんとも妙な話である。

 余談だが、私は映画『イマジン』のソフトパッケージでもお馴染みのジョン・レノンの自画像に似ていると言われたことがある。しかし、あのイラストも髪が長くて眼鏡をかけていれば大抵の者が似ていると言われることだろう。まあ、ジョン・レノンのファンとして悪い気はしないけれども。

アメリカン・プレイヤー

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