ストップ・メイキング・センスなパンダがでろり

 ヤワなパンダを殴れる 青白い顔の羊

 すぐにパンダが千切れる ほとばしるヤギの生き血

 わずか二十日後は すべて朽ち果てよう

 すぐに駄目になる地球儀 マラリア嘔吐がでろり

 

 これは、PUFFYの「愛のしるし」の歌詞が「アジアの純真」と同じく井上陽水の手によるものだったら、どんな歌になっていただろうと考え(「愛のしるし」の作詞作曲は草野正宗)、中学生の頃に試しに書いてみたものである。それを踏まえてもらえれば、出来が良いかどうかは別として、「パンダ」や「マラリア」が出てくるのは「アジアの純真」(というか井上陽水全般)の影響なのだと理解してもらえるだろう。若干、猟奇的な雰囲気があるのは、私の悪趣味方面に対する嗜好の表れである。これといって深い意味などない。オリジナルにおける「漕いでいけ」の部分が思いつかず、ここまでで諦めた。

 しかし、『水曜日のダウンタウン』で小籔千豊が披露した「ダウンタウン=ロシアスパイ説」のように、どんなものでもこじつければ意味が勝手に見えてきてしまうものだ。実際、小籔さんの「啓蒙活動」をよそに、荒唐無稽とも思える陰謀論は後を絶たない。上記の替え歌も、私の個人的事情など知らない人間が目にすれば、ひょっとしたら「パンダは中国、青白い顔の羊は白人、つまり中国とアメリカの対立を冷笑的に揶揄した歌だ」なんて言い出すかもしれない。そんな意図はない。

 ジョン・レノンは「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」の頭文字がLSDになるとの指摘を受けた際、他に頭文字を合わせるとおかしな言葉になる曲がないか調べたと語っていたことがある。学校の授業で詩を書かされたり、わけのわからない工作をさせられたりすることもあるわけだから、どんな人でも探せば炎上案件になりそうな作品の一つや二つ出てくるのではないかと思う。そして、もしもどれだけ穿った読み解き方をしても、一切それらしき意味を見いだせないようなものしか作り出せていないのだとしたら、それはあまり誇れることではないような気もする。

JET CD

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  • アーティスト:PUFFY
  • 発売日: 1998/04/01
  • メディア: CD
 
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